吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2021-12-29から1日間の記事一覧

水俣曼荼羅

6時間を超える上映時間。途中2度の休憩をはさんで、三部作に分かれている。劇場では都合6時間半かけて見ることになる壮大なドキュメンタリーだが、まったく飽きることがない。その理由は、この作品が曼荼羅というタイトルにふさわしく大勢の登場人物たちに肉…

燃ゆる女の肖像

様々に小さな伏線を敷き、実に機微に富んだ心理描写をしている作品であり、見終わってから胸にじわっと染みてくる。 「セリーヌ・シアマがカンヌで脚本賞を獲った作品、観たか?」と息子Y太郎(30歳、在仏)に尋ねたら、即座に「ああ、シアマか、彼女の映画…

岬の兄妹

足に障害がある兄と、知的障害のある妹の極貧生活。母親も亡くなり、電気も止められた掘立小屋のような家に暮らす二人は、食べるに窮してとうとう売春を始める。妹の真理子は嫌がっていないし、これで儲かるなら、と兄は「1時間1万円で最後までできます」と…