吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

戦火の奇跡 〜ユダヤを救った男〜

前後編、一気に見てしまいました! 少し前に、芸能人のブログが炎上し、殺人犯と間違われた彼が不特定多数の人々から「死ね」「殺す」とコメント欄に書き込まれて逮捕者が20人近く出る事件があった。あのとき、逮捕された女性の一人は「●●さんが殺人犯だと思…

ベンジャミン・バトン/数奇な人生

なんという上品で悲しい映画だろう。愛し合う二人は時を止めたいと願う。しかしその時が逆流していけば? 二人の時間は離れる一方。女は老いていき、男は若返っていく。この悲劇は、単なる猟奇的な物語の発想を超えて、愛のかけがえのなさとその本質を鋭く問…

アウェイ・フロム・ハー 君を想う

これは痛い。リアルすぎて「感動を呼ぶ物語」とは言い難い。しかしこれは究極の自己チュー男の愛を描いた、そういう意味ではもっともリアルに愛の残酷を描ききった感動作と言える。 ジュリー・クリスティー、なんという美しいおばあさんでしょう。こんなにい…

ベンジャミン・バトン/数奇な人生

なんという上品で悲しい映画だろう。愛し合う二人は時を止めたいと願う。しかしその時が逆流していけば? 二人の時間は離れる一方。女は老いていき、男は若返っていく。この悲劇は、単なる猟奇的な物語の発想を超えて、愛のかけがえのなさとその本質を鋭く問…

めまい

この作品は『トラウマ映画の心理学』(森茂起、森年恵著)で完璧ネタバレストーリーを読んだはずなのに、なぁ~んにも覚えていない。なんという記憶力だろう?! 幸か不幸か、おかげでまっさらな気持ちで映画を見ることができるので実に新鮮である。 最後の…

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

かの「タイタニック」のヒーローとヒロインが再び共演すれば、そこに説明は要らない。二人は会った瞬間に恋に落ちるし、それは運命の恋なのだ、と観客は素直に納得する。従って、巻頭、二人が出会ってあっという間に恋に落ちる場面で、サム・メンデス監督(…

ゴーン・ベイビー・ゴーン

「BOY A」のような暗い社会派作品が公開されるのになぜこれほど見る人に問いかけを残す作品を公開しないのか、まったく日本の配給会社の考えがわからない。しかもビッグネームが何人も出演し、非常に渋い演技を見せているというのに。 ボストン郊外の小さな…

シークレット・サンシャイン

思想の深さに思わず感嘆する。<赦し>という思想が持つアポリアをこれほど見事に描くとは。しかし、映画全体の緊張感はベルイマン作品にはかなわない。 夫を亡くしたばかりの32歳のシネは、小学生の息子を連れて夫の郷里・密陽(ミリャン=シークレット・サ…

西の魔女が死んだ

主役のサチ・パーカーは本名サチコ・パーカー。シャーリー・マクレーンの娘だそうで、そう思って見るとなるほど似ている。映画の中では老け役メイクしているけれど、ほんとはわたしと歳のかわらない女性で、まだ52歳なのだった。とても上品なおばあさん役で…

ハバナ

これぞ恋と革命! 「チェ 28歳の革命」の予習として見た映画。これを見ておいて正解です。あくまでアメリカ人ギャンブラーから見たキューバ革命だから、カストロもゲバラも登場しないけれど、革命前のハバナの退廃的な雰囲気がよくわかる。しかし見終わって…