吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ハバナ

これぞ恋と革命!

 「チェ 28歳の革命」の予習として見た映画。これを見ておいて正解です。あくまでアメリカ人ギャンブラーから見たキューバ革命だから、カストロもゲバラも登場しないけれど、革命前のハバナの退廃的な雰囲気がよくわかる。しかし見終わって何週間かでどんどん印象が薄れてくる(^_^;)。

 「カサブランカ」をそっくりそのままキューバに移したようなお話だが、「カサブランカ」に比べると洒脱な台詞に欠けているのが痛い。しかもキューバ革命が舞台でありながら革命はまったく描かれないし、おざなりな描写に終始している。映画はあくまでさすらいのギャンブラーと美しい人妻との恋愛に焦点を絞るため、メロメロのラブストーリーになってしまった。まあ、その分ロマンティックで雰囲気はいいんだけど。特に、凝った美術・セットに拠って革命直前のハバナの様子がよくわかり、「チェ」2部作の予習としてはなかなか興味深かった。

 ロバート・レッドフォードは歳をとってもかっこいいです。お相手役の女優レナ・オリンも美しく、美男美女の恋愛ものという定番が雰囲気たっぷりに描かれていて飽きない。要はこの映画に何を求めるかであって、キューバ革命を描いた社会派作品を見たい人には不評だろうし、お洒落な恋愛映画というにはちょっと政治の話が中途半端にからんでくるし、すわり心地の悪さは否めない。(レンタルDVD)

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ハバナ
HAVANA
アメリカ、1990年、上映時間 145分
製作・監督: シドニー・ポラック、脚本: ジュディス・ラスコー、デヴィッド・レイフィール、音楽: デイヴ・グルーシン
出演: ロバート・レッドフォード、レナ・オリン、アラン・アーキン、トーマス・ミリアン、ダニエル・デイヴィス
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