吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。

ジャングルブック

 なんと、全編CGで描かれたアニメだと思い込んでいて最後まで疑わず、すっかり騙されたけれど、実は実写とCGの合成だったとは。もう映画は実写とかアニメとかCGとかの領域を超えてしまった。それほど動物たちの描写はリアルで、自然描写の撮影が美しく、もう本物かどうかなどどうでもいいようになる。インドのジャングルというのはあまり馴染みがないが、虎や豹や象や狼が同じ森に登場する、っていうのは正しいのか? まあ、そんなことはどうでもいい。森の中を疾走する少年モーグリの躍動感の素晴らしさにはワクワクする。動物たちがほぼ全員英語をしゃべるというのも愛嬌で、その声優がみな有名な役者ばかりなのも特筆すべき。相変わらずベン・キングズレイの声は渋くてよろしい。
 物語の基本は、ジャングルに置き去りにされた少年が狼の慈愛深い母に育てられ、狼少年として育つけれど、人間に復讐を誓う虎につけ狙われ、ジャングルの平和のために人間界に戻ろうとする、というもの。ジャングルの中には掟があり、動物たちが秩序を維持しながら生きているというところが感心する。しかしその危うい均衡を破ってしまうのがモーグリという人間の存在だ。子どもであるモーグリがいつしか成長し、狼の群れによって守られてきただけのか弱い存在から群れを守る大人へと脱皮していく様子が眩しい。
 男の子の成長譚として王道を行く物語であり、スピードとスリルに溢れたアクション映画である。続編もできそうだね。大人にもじゅうぶん楽しめる作品。(ブルーレイ)

THE JUNGLE BOOK
106分、アメリカ、2016
監督:ジョン・ファヴロー、製作:ジョン・ファヴロー、ブリガム・テイラー、原作:ラドヤード・キプリング、脚本:ジャスティン・マークス、撮影:ビル・ポープ、音楽:ジョン・デブニー
出演:ニール・セティ、声の出演:ビル・マーレイベン・キングズレールピタ・ニョンゴスカーレット・ヨハンソンクリストファー・ウォーケン