吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

勝手にしやがれ


 Y太郎はこの映画が大好きで、家で何度も繰り返しDVDを見ている。もはやカット割りもすべて記憶しているというぐらいの代物なのであるが、それでもやっぱり劇場で見たいというのだから、よほど好きなのだろう。モノクロというところも気に入っているという。というわけで息子と映画館はしごのこの日の2本目は十三の第七藝術劇場、略称「ナナゲイ」へ。

 で、昼食にとんこつラーメンを食べてひどく眠くなっていたのである。このラーメン屋というのが、十三駅東口を出て左手に行ったところ、商店街の切れ目にある「ばっこ志」という鰻の寝床のような店。七芸のスタッフに「この辺においしいラーメン屋はありませんか」と尋ねて教えてもらった。地元民が勧めるだけあって、美味しいラーメンだった。スープがあまりにも濃厚で中高年にはちょっとヘビーだったかもしれないが、満足した。細麺を固めにゆでるのが特徴らしいが、わたしはもう少し柔らかい方がいいなぁ。

 ナナゲイの斜め向かいにネギ焼きの「やまもと」という店があり、ものすごくいい匂いがしていたので入りたかったのだが、大行列していたので諦めた。ここは有名な店で、だいぶ前に百貨店に出店していたときに食べた覚えがある。いつか行ってみたい。



 とまあ、食べ物の話ばかりになるのも、映画上映中はほとんど寝ていたからであり…。おお、これがジャンプカットか、これを見た当時の人たちはびっくりしただろうなぁ、ジーン・セバーグ綺麗ねぇ、ジャン・ポール・ベルモンドが若い、とか思いながらスヤスヤ。せっかく見に行ったのになぁ、惜しいことをしてしまった。家にDVDがあるので見直します。トホホ。


 Yによると、DVDと映画では字幕の訳が少し違うという。カットも違うところがあるとか言っていたが、そうなのかな?

 今気がついたけど、この映画の英語タイトルって「息もできない」だったんだ。韓国映画はここからタイトルをとったのではないか?

 ジーン・セバーグといえば、彼女はトリュフォーの「悲しみよこんにちは」で一世を風靡し、そのベリーショートの髪型が「セシルカット」として大流行したが、その後、「勝手にしやがれ」以外にはこれといった作品に恵まれず、1979年に自殺している。


 映画の内容についてあまりにも何も書いていないので、ゴダールの『映画史』からメモ。

 この映画を撮ったときは役者は台詞を覚えていなくてもよかったそうだ。即興的な撮影方法に加えて台詞はすべてアフレコだったので、主役二人は「外部から」台詞を教えてもらってしゃべっていたそうだ。 例のジャンプカットがどのように生まれたかもこの『映画史』を読めばわかる。デビュー作であるこの映画を短く撮ることができなかったゴダールは、完成作品が2時間半近くになったため、そのままではプロデューサーに渡すことができなかった。契約では90分に収めることになっていたからだ。そこでゴダールは、 ジャン=ポール・ベルモンドジーン・セバーグが会話している場面を二人のカットの切り返しでつなぐのではなく、どちらか一方の会話をすっぽり切ってしまうことにした。どちらを落とすかはそのつどくじ引きで決めたという。すごい映画作法もあったもんだと驚嘆する。

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A BOUT DE SOUFFLE
95分、フランス、1959
監督・脚本: ジャン=リュック・ゴダール、監修: クロード・シャブロル、製作: ジョルジュ・ドゥ・ボールガール、原案: フランソワ・トリュフォー、音楽: マルシャル・ソラル
出演: ジャン=ポール・ベルモンドジーン・セバーグ、ダニエル・ブーランジェ、ジャン=ピエール・メルヴィルジャン=リュック・ゴダール