吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

ソルト

 ダイハードな女、イヴリン・ソルト。


 映画はとっても面白くて、楽しめた。それはともかくとして、免許とりたて2日目のY太郎の運転が怖かった。往路はわたしが運転し、復路をYに運転させたが、ひやひやものであり。S次郎も一緒に乗っていて、何かあればこれで一家3人がお陀仏という事態であったが、無事帰還。やれやれである。

 将来は映画監督になってジェームズ・キャメロンよりもヒット作を飛ばし、フェラーリを乗り回すという予定になっているY太郎の壮大な計画の第一歩は、運転免許をとること。大学生になる春休みから教習所に通い続けてようやく免許皆伝と相成り、めでたく母と弟を乗せて映画館へとドライブすることになったのであった。



 さて物語は。CIAの優秀な工作員イヴリン・ソルトは、ロシアから亡命してきた元KGBの大物スパイに「ソルトはソ連の潜入スパイで、ロシア大統領の暗殺を企てている」と告発される。時あたかも米国副大統領の葬儀に列席のため、ロシア大統領がアメリカを訪れようとしていた。ソルトは「わたしはソ連のスパイじゃない! ハメられたのよ」と叫んで逃亡する。逮捕されたソルトが包囲網をかいくぐって脱出する場面のハンパじゃない面白さ! アンジェリーナ・ジョリーのアクションは一作ごとにヒートアップし、その過激度もしなやかさも驚くばかりだ。



 夫の身が危ないと心配したソルトは自宅に戻るが、夫は何者かに拉致された後だった。またしてもCIAの包囲網をかいくぐって裸足で高層アパートの窓伝いに脱出するソルト。このあと物語は二転三転し、ソルトがいったい何者なのか、観客も騙されることになる…。



 この映画の面白さは二つ。アンジェリーナの超人的アクションと、二重スパイ(しかも何十年もの間、敵国に潜入する潜入スパイ)の正体はいかに、というサスペンスだ。ソ連がアメリカに潜入スパイを送り込んでいたという伝説を映画化したものだが、実際にほんの1ヶ月前に「米連邦捜査局(FBI)がロシアのスパイとして男女10人を逮捕した事件で、米ロ両政府は8日、この10人と、米英に情報を流したスパイ罪でロシアで服役中の軍事専門家ら4人を交換することで合意した」(朝日新聞、2010.7.9)という報道があったばかりで、なにやら真実味を帯びるではないか。

 

 アクションは荒唐無稽なのに話の元ネタは実際にありそうであり、嘘っぽさとリアリティの間をこの映画はうまく渡りをつける。暑気払いにはお奨めの一作。続編ができること確実。

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SALT
100分、アメリカ、2010
監督: フィリップ・ノイス、製作: ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ、脚本: カート・ウィマー、音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: アンジェリーナ・ジョリーリーヴ・シュレイバーキウェテル・イジョフォー、ダニエル・オルブリフスキー