読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~

f:id:ginyu:20170318110915p:plain

 イタリア最南端の小さな島、ランペドゥーサ島は人口5500。その島にアフリカからの難民がその10倍押し寄せる。このドキュメンタリーは、島の人々の生活と決して交わることのない難民の悲惨な境遇を静かに描き出す。

 巻頭、中学生ぐらいの少年が一人で木登りや手製のおもちゃで遊んでいる様子が映し出される。セリフもほとんどなく、いったい何を狙っているのかわからない撮影だ。とはいえ、ここが海に囲まれた小さな島で、のどかな田舎暮らしの人々が住んでいることがわかる。しかしその島には年間5万人を超える難民が流れ着く。彼らが乗った船から救難信号が発せられれば、島に待機している救助艇が急行するが、間に合わずに船内は大量の遺体だらけ、という凄惨な事態も起きる。

 アフリカからの難民と、シリアなどから逃れてきた難民が悲惨な状況で救助されたり死んでしまったりという阿鼻叫喚のような光景が映し出されるというのに、どうしたことだろう、この映画はあまりにも静かすぎるのだ。どこまでも澄み切った美しい海と空と乾いた草原が広がる風景に溶け込んで静かに質素に暮らす島民の生活は、決して貧しくはない。立派な家に住み、手作りのトマトソースで彩られたパスタを食べ、清潔にしつらえられたベッドで眠る。そんなありふれた田園漁村の風景と並行して、戦火を逃れ亡命し逃亡する難民たちの涙と恐怖と乾きと病が観客の目の前に差し出される。これをどう考えればよいのか?

 あまりにも静かで淡々とした映画であるがゆえに、わたしは眠くなる。つい退屈してしまう。と同時に「悲惨な状況を目の前の画面に見ていながら退屈するとはどういうことか」と後ろめたさにいたたまれなくなる。遠い地の出来事はしょせんは他人事なのだ。無意識にそう思っている自分に気づいてしまった驚きと、それを恥じる気持ちが交錯する。

 難民たちはただ無力でただ死を待つだけの人々なのだろうか。彼らには夢も人生の物語の主人公である誇りもないのだろうか。わたしはただ彼らに同情するだけなのだろうか。

 何も答えが見つからない重い重い映画に気持ちも腰も重くなる。死体だらけの難民船内に衝撃を受け、そんな事件とは無関係に少年たちが暮らす日々の生活に愕然とし、「人道救助」ってなんなのだ、と呆然とする、そんな映画。観客一人一人に突き付けられる居心地の悪さは格別だ。でも目を背けてはならないのだろう。そして、そんな状況を変えられる力は、実は難民たちしか持っていないのだ。かの国を脱出してきた人々がいつかは祖国に帰り、祖国を変えていくしか、道はないのではないか。

 「消費する」ことを許さない映画。

(2016)
FUOCOAMMARE
FIRE AT SEA
114分
イタリア/フランス
監督:
ジャンフランコ・ロージ

白鯨との闘い

映画

f:id:ginyu:20170310120959p:plain

 メルヴィルの『白鯨』は読んだことがなかった。と思っていたのだが、映画を見ているうちに次々デジャヴに襲われる。ひょっとしてこれは、小学生の頃にジュニア新書とかジュニアなんたらシリーズで読んだのではないか。まあ、いずれにしても、ストーリーには既視感があっても、映画的に面白いかどうかは別問題。その点、ロン・ハワード監督はさすがの手練れである。

 物語は、若きメルヴィルという作家が30年前の遭難事件を、唯一の生存者に取材するという体裁で始まる。その生存者である元捕鯨船員は既に中年の域を超えていた。高額の報酬につられて、彼は苦し気に過去を語り始めた。恐るべきエセックス号の遭難事件を。

 それは、二人の男の物語だった。一人は若くて勇敢な一等航海士オーウェンであり、もう一人は親の七光りで船長となった名門家出身のジョージ。1919年、エセックス号は鯨油を取るためにアメリカ東海岸を出港し、南米大陸を南下してホーン岬を回り、南太平洋へと出た。長い長い旅である。いったん捕鯨の旅に出れば、2年以上帰ってこられない。しかしそれに見合うほどに捕鯨は儲かったのだろう。太平洋上で、巨大なマッコウクジラに体当たりされたエセックス号は沈没し、船員たちは3艘の小舟に乗り移って陸地を目指す。食料はわずかしかないので、極端な制限によって給食されることとなった。漂流が長引くと船員たちの体力・気力は限界に達する。生きるための闘いが始まった……

 一本作は等航海士と船長の確執や、船員同士の絆と反目といった人間関係のドラマ部分も見ごたえがあり、さらに巨大な鯨に体当たりされるエセックス号の恐怖も迫力たっぷりだ。
 出港する前の港の風景やオーウェンの生活風景もさりげないロングショットで、なかなか美しい。上流階級のボンボンである船長とたたき上げの一等航海士の葛藤という人物造形はステレオタイプだけれど、気になるほどではない。それよりも、帆船の操船や捕鯨の方法などが細かく描かれていて興味深い。銛を鯨に投じて長い間苦しませるという残酷な捕鯨方法がとられているため、現在の反捕鯨団体の主張にも頷けるような場面だ。かつてはあのようにして鯨と闘っていたわけだな。だから巨大な白鯨がエセックス号に体当たりしてきたことも「これは鯨の怒りであり、復讐なんだ」と観客には理解できる。

 燃料やろうそくの原料として脂を取るためだけに鯨を殺していたなんて、もったいない話だ。日本人なら鯨肉も食べるし、尾もヒレも食用にし、捨てるところなどなく消尽して鯨への畏敬の念を表すのに、西洋人はそうではないのだな、ここが大きな文化の違いだ。

 エセックス号の乗組員たちの壮絶な漂流は見ているだけでつらくなってくるようなものであり、彼らの究極の選択にも息を飲む。そのような犠牲もすべては鯨油のためだったのに、物語の最後で「テキサスの砂漠から石油が出たらしいな」というセリフが、捕鯨の最後を告げる。時代はもう捕鯨を見捨てようとしていた。その切なさも、自然への畏敬の念を忘れた者たちへの報復もすべてが夢のように過ぎ去ったのだ。余韻が残る一作。(動画配信)

IN THE HEART OF THE SEA
122分、アメリカ、2015
監督:ロン・ハワード、製作:ジョー・ロスほか、原作:ナサニエル・フィルブリック『白鯨との闘い』、脚本:チャールズ・リーヴィット、撮影:アンソニー・ドッド・マントル、音楽:ロケ・バニョス
出演:クリス・ヘムズワースベンジャミン・ウォーカーキリアン・マーフィトム・ホランドベン・ウィショーブレンダン・グリーソン

 

ヒマラヤ ~地上8,000メートルの絆~

映画

f:id:ginyu:20170307011851p:plain

 これも実話をもとにした山岳映画。

 さすがは韓国映画だけあって、感情に訴える場面のうまさは特筆すべき。その一方、残念ながら山のシーンの迫力がいまいちだ。いや、この作品しか観たことのない人ならこれでも十分満足の出来だろうが、なにしろつい先日、ドキュメンタリー「メルー」で驚異の映像を見てしまった後だけに、ついつい比べてしまう。

 物語の大筋はこうだ。現役を引退した世界的に有名な韓国の登山家が、ある日、後輩の遭難死を知る。彼の遺体が標高8700メートルのヒマラヤ山中に置き去りにされていることがわかると、直ちに遺体回収のためのチームを組み、困難な「デスゾーン」へと登山を開始する。果して後輩の遺体を運んで無事に下山できるのか?

 映画の前半はコミカルで、テンポもよく軽いノリの話が続く。登山のための訓練の様子やベースキャンプでのやりとりも漫才のようだが、若き登山家パク・ムテクが遭難してからはぐっとお話が暗くなり、泣かせる場面が連続する。ヒマラヤ山脈のあちこち、特にエベレスト山にはいくつもの遺体が放置されている。中には道標になっているものさえあるというのだから、この高度で遭難すると遺体は家族のもとに戻れないことも普通なのだ。この映画でも、登頂の栄誉のためではなく、「単に遺体を回収する」ためだけにチームが組まれる、という至難のプロジェクトが組まれる。これは、自己犠牲の精神がなくては実行できないイベントだ。だからこそ見る者の感動と涙を誘うし、それゆえに映画化もされた実話なのだろう。

 なぜ山に登るのか。そこに山があるから。この映画ではその答えが違う。そこに大事な後輩の遺体があるから。彼が待っているから。家族のもとに返してやりたいから。そんな理由で8000メートルを超える山に登る人がいたとは驚きだった。自分たちだけでも大変なのに、重い遺体を持ち帰るなんて。もちろん想像を超えるような難作業が待ち構えているのだ。それでも果敢に挑戦した人々がいたことは心に留めておきたい。(レンタルDVD)

THE HIMALAYAS
124分、韓国、2015

監督:イ・ソクフン、脚本:スオ、ミン・ジウン、撮影:キム・テソン、ホン・スンヒョク、音楽:ファン・サンジュン
出演:ファン・ジョンミン、チョンウ、チョ・ソンハ、キム・イングォン、ラ・ミラン

 

 

MERU/メルー

f:id:ginyu:20170227001449p:plain

 1月に見た映画。映画館に見に来ている観客は年寄りばかりだった。こういう映画を若者が見に来ないという点が問題。というか、残念。

 ヒマラヤ山脈にあるメルー中央峰の「シャークスフィン」と呼ばれる断崖絶壁の頂上は、誰も登ることのできない危険な途。2008年に挑戦して目の前に山頂が見えながら撤退した3人の登山家が再び危険極まりないルートに挑戦する。そんな彼らの姿を追ったドキュメンタリー。3人のメンバーのうち一人はプロカメラマンのジミー・チンであり、彼は自らが登山する様子を撮影しながら困難なルートをロッククライミングするという神業をやってのけた。その驚異の映像に目が釘付けになる。

 エベレスト登山とは違ってシェルパを雇って荷物を持たせることができないこの直登ルートは、登山家自らが90キロの荷物を担いで氷壁を登っていかねばならない。途中、岸壁に宙づりになってテントを張るのだ。信じられないような光景が続く。

 映画はコンラッド、ジミー、レナンという登山家たちのインタビュー証言と、実際にクライミングしている最中の映像とを交互に映し出す。過去の彼らの人生も回顧され、大きな雪崩に巻き込まれたジミー・チンの恐怖の映像も見られる。とにかくもう口をあんぐり開けているしかないような過酷な登山の光景が次々に現れてくるので、映画館のゆったりとした椅子でぬくぬくと映画を観ているのが申し訳ないような気になってくる。 

 なぜ登るのか、なぜ挑戦するのか、何を求めてるのか。そんな問いかけはそもそも無意味なのだ。これは彼らにとって生きることそのものなのだから。重傷を負ったレナンが驚異の回復力を見せて再びメルーに挑戦するさまもすさまじいし、親友を目の前で喪った経験を持つコンラッドの苦悩にも胸をつかれる。

 クライミングの過酷さだけではなく、彼らの生活や生き様のドラマにも魅かれる、一見の価値あるドキュメンタリーだ。お薦め。

MERU
90分、アメリカ、2015
製作・監督:ジミー・チンエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、音楽:J・ラルフ
出演:コンラッド・アンカー、ジミー・チン、レナン・オズターク、ジョン・クラカワー、ジェレミー・ジョーンズ、ジェニ・ロウ=アンカー

 

フルートベール駅で

f:id:ginyu:20170225152628p:plain

 本日、研究会「職場の人権」の例会があり、久しぶりに参加した。報告は伊藤太一さん(大阪経済大学経済学部教員)「アメリカ労働運動の新潮流と“サンダース現象”」。伊藤先生は非常にお話が上手で、身振り手振りでサンダースの物まね演説をされたりして、とっても面白かった。面白いというと語弊があるが、興味深いお話がいろいろ聞けた。近々研究会の会誌で報告内容が掲載されるので、興味のある方にはぜひご覧いただきたい。

 して、そのお話のなかで、アメリカ社会の差別の激しさを表す事例として「つい最近も、一人の黒人少年を白人警官が取り囲んで射殺してしまうという事件が起きた。その様子をスマホで撮影していた人たちがネットに動画をアップしたために暴動に発展した」というアメリカ留学中の話を紹介された。それでこの映画のことを思い出した次第。2014年に見た作品だが、今頃感想をアップします。

ーーーーーーーーーーーーー

 2009年1月1日の未明、一人の黒人青年がサンフランシスコ近くのフルートベール駅で警官に射殺された。その様子を乗客たちが携帯で撮影していて、映画の巻頭はその実際の映像が流れる。不吉な銃声とともに暗転した画面はその前日に戻る。

 ある日突然、不当にも無抵抗な状態で警官に撃ち殺されてしまった青年が、予期せぬ死の1日前をどのように生きたのかを淡淡と描く。ドキュメンタリータッチを狙った画面は手持ちカメラが揺れてちょっと見難い。画質も粗くて、それはそもそも狙ったのかもしれないが、あまり感心しない。

 この手の映画にはコロンバイン高校の乱射事件を描いた「エレファント」があった。事件が起きるまえのごく普通の日常生活を描く、という手法。だからこの映画の作り方じたいに新鮮味は感じないし、そもそもコロンバイン事件ほどに衝撃度が高くない事件だから、インパクトが薄いのかもしれない。しかしこの映画には、実際の事件がその現場に居合わせた人々によって一部始終を撮影されてしまい、ネットに出回ったその映像を映画で使用したという点に目新しさがある。近頃話題のフェイクドキュメンタリーではなく、実際の素人映像を取り入れたドラマである。

 罪なく殺されてしまった黒人が決して品行方正な人間ではなく、たとえこの時に殺されていなくてもろくな死に方をしないだろう、と思わせるような人物であるところがこの映画のリアルな点だ。前科があり、遅刻を理由に店を解雇されたばかりで、ひょっとしたらまたヤクの売人に逆戻りしそうな危なっかしい崖っぷち。

 それでも4歳の娘と恋人といっしょに生活を立て直そうとはしているのだ。彼はどこにでもいる母親思いの青年で、娘を可愛がり、見ず知らずの人にもつい親切にするし、犬がひき殺されれば抱きしめてやる、そんな優しい面も持っている。長所も欠点もふつうに持っている人物なのだから、つまりはどこにでもいる若者に違いない。「ろくな死に方をしないのでは」と思わせるような人物だからといって、殺されていい人間など一人もいないはずだ。

 どっちに転ぶかわからない彼の人生。まさにそんなときにあっけなく死はやってくる。電車の中でヤクザな男たちにからまれて喧嘩になり、警官がとんできて逮捕されてしまうという展開に、不安の序曲が鳴り始める。逮捕された彼と仲間たちが警官に不当逮捕を抗議し、警官の姿を携帯で撮影したばかりに、撮影された若い警官はパニックに陥る。そして悲劇が。

 主人公の死という結論を知って見ている観客には、彼の一挙手一投足が死へのプレリュードのように思えて、切ない。人間はこんな風にある日突然命を落とすことがある。彼を殺した警官と差別への怒りもさることながら、命のはかなさの無常観に包まれたラストだった。(レンタルDVD)

FRUITVALE STATION
85分、アメリカ、2013 
監督・脚本: ライアン・クーグラー、製作: ニナ・ヤン・ボンジョヴィ、フォレスト・ウィテカー、音楽: ルートヴィッヒ・ヨーランソン
出演: マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディアス、オクタヴィア・スペンサーケヴィン・デュランド、チャド・マイケル・マーレイ

 

天使のいる図書館

f:id:ginyu:20170222002938p:plain

 町興し映画にありがちな安易で残念な作品かと思ったけれど、どうしてどうして、図書館員がちゃんと仕事をしているところが描かれる、よい作品だ。でも主人公は変な図書館員で、あんなのは採用試験の面接で落ちるでしょとか、あんな司書がいるわけないでしょとか、なんで新人をレファレンスカウンターに座らせるのよ、ありえーんとか脳内ツッコミをしながら見ておりました。

 舞台は奈良県葛城地域にあるとある公共図書館。実際の図書館を使ってロケしているので、地元の人にはああ、あそこね、とわかるだろう。空撮で葛城地域の田園風景を映したあと、カメラはぐっと寄りながら主人公さくらが自転車で出勤する様子を映し出す。田んぼの真ん中をヘルメットをかぶって全力ダッシュで自転車をこいでいる様子はほほえましく、この主人公がとっても元気な若者であることがわかる。で、彼女はなんとレファレンスカウンターに座っているのである。確かに知識は豊富なのでレファレンサーの潜在能力は高そうだけれど、いかんせんコミュニケーションがまったくなっていない。おまけに大きな眼鏡をかけて髪を無造作に束ねているところも図書館員のステレオタイプで、思わず失笑。まあこれはコメディなんだからこれぐらいはしゃあないか。

 などと言っているうちに、一人の上品な老婦人が沈んだ表情で閲覧室のソファに腰かけている様子が目に留まる。これが香川京子なのよね。すっかり年を取ったけれど、上品なおばあさんです。おばあさんが気になるさくらちゃんは、余計なお世話を発揮して香川京子おばあちゃんが持っていた写真を見て「この場所を教えてあげます」と勝手にレファレンス。おまけに図書館外におばあちゃんを連れ出して案内してしまう。館長らしき女性はあきれた顔でその様子を見ていたけれど、特に止めるでもない。このあたりがいい図書館ですねー。既存のやり方にこだわらない。前例なんかどうでもいい。レファレンス担当が勝手に席を外して利用者を連れて館外レファレンスをしても上司は叱らない。いいんじゃなーい。

 とまあ、ここまでは図書館員のステレオタイプのおかしさと、そのステレオタイプを大胆にもはみ出す主人公さくらの変人行動で笑わせる話かと思わせておいて、実はこれ、団塊世代のロマンスものだったんですねー。この意外な展開にはびっくり。 

 主人公以外は実にまっとうな図書館員ばかりで、特に館長だか現場主任だかのベテラン女性がとてもよろしい。客扱いもわきまえていて、部下もきちんと指導する。汚れた本を丁寧に洗浄している場面にも心を打たれるが、修復方法はあれでよいのか? スプレーしているのはエタノールなのかなぁ。などと図書館員としましては、細部が気になってしょうがなかった。
 このおばあさんとの交流を通してさくらが成長していくというビルディングスロマンの典型物語なんだけれど、ステレオタイプのお話が嫌味じゃなくて爽やかなのは、図書館員の仕事や本の大切さがきちんと描かれていたことと、役者の魅力によるんだろう。小芝風花ちゃん、とってもかわいいです。森本レオさんも素敵な声は相変わらず。

 「人生のラストシーンはあの人と一緒にいたい。二人でただ笑いながらススキの野原を歩きたい」。そういう香川京子おばあちゃんのセリフには思わず涙。想いは50年経っても変わらないのだ。

 映画を観終わった後、わたくしが「夜明けの歌」を一人高らかに熱唱したことは言うまでもない。実に効果的に使われています。名曲ですよ!

108分、日本、2017
監督:ウエダアツシ、製作:露崎晋ほか、原案:山国秀幸、脚本:狗飼恭子、撮影:松井宏樹
出演:小芝風花横浜流星森永悠希、飯島順子、籠谷さくら内場勝則森本レオ
香川京子

 

2016年のマイベスト

映画ベスト10

 今日一日で映画評26本をアップしました。なんとか2016年中に見た映画の中で、これは、と思うものを掲載することができました。

 さてそこで、恒例のマイベストについて言及。

 今年も見た映画の本数が少なくて、とてもこの中から1年のベストを選べるほどではないので、あくまでわたしが見た作品の中での、わたしの好みによるベストであります。

 また、順位や点数をつけることを本意とはしていません。素晴らしい映画を多くの人に見てほしいという思いと、映画製作者にはいい作品を作ってほしいという応援の意味でのマイベストと理解してもらえればうれしいです。

***********

 2016年に見た映画は143本(「シン・ゴジラ」は2Dと4DXを鑑賞)、うち映画館で見たのは試写を含めて92本。51本が自宅で。今年は年末近くになってテレビを買い替えたので、ようやくブルーレイを見られるようになった。ついにブラウン管テレビとおさらばしたのであった。

<ベスト1は甲乙つけがたく、3作>
ハドソン川の奇跡
レヴェナント:蘇えりし者
レッドタートル ある島の物語

 ※完成度は「ハドソン川の奇跡」が最も高いと思うけれど、「レヴェナント」はこれぞ映画でないとできない表現に酔いしれた。劇場で見なければこれほどの感動は得られないだろう。自宅のTVモニターで見るのはお薦めではありません。「レッドタートル」はとことんシンプルなアニメ。これはもう、ある年代以上の人間の琴線に触れるとしか言いようがなく。

<ベスト10まで>
消えた声が、その名を呼ぶ
弁護人
君の名は。
この世界の片隅に
シン・ゴジラ
淵に立つ
手紙は憶えている

<番外編>
久しぶりに見直して、やっぱり面白かったので、これを特筆。
マルサの女 

<見て損はなし、お薦め映画>

ロング・トレイル! 
湯を沸かすほど熱い愛 
64 ロクヨン 前編 後編 
木村家の人びと
グローリー 明日への行進
ザ・ウォーク 
スポットライト 世紀のスクープ 
はじまりのうた 
ペレ 
リリーのすべて 
帰ってきたヒトラー 
10 クローバーフィールド・レーン 
不屈の男 アンブロークン 
スティーブ・ジョブズ 
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
X-MEN:ファイナル ディシジョン
X-ミッション 
アイヒマン・ショー 
アウトロー 
イレブン・ミニッツ 
エンド・オブ・キングダム 
エンド・オブ・ホワイトハウス(2013)
オデッセイ
おまえうまそうだな 
カルテル・ランド 
キューポラのある街
ザ・ギフト  
サウルの息子 
さざなみ 
さよなら歌舞伎町
ズートピア 
でんげい 
にあんちゃん 
ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります 
ビッグアイズ 
ファインディング・ドリー 
ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 
ブリッジ・オブ・スパイ  
ブルーに生まれついて  
ブルックリン 
ボーダーライン

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ
マネー・ショート 
みなさん、さようなら
ミルカ 
ルーム 
ローマでアモーレ 
海よりもまだ深く 
駆込み女と駆け出し男
県庁の星
団地 
殿、利息でござる 
怒り  
二ツ星の料理人  
アーロと少年
ああ野麦峠 
キャロル 

<その他、今年見た映画>この中にもお薦め作はたくさんあり、ブログに感想を書いた。

うさぎ追いし 山極勝三郎物語
Mr.ホームズ 名探偵最後の事件
X-MEN:アポカリプス 
X-MEN:フューチャー&パスト
あーす 
アントマン
イタリアは呼んでいる
イット・フォローズ 
インサイダーズ 
インデペンデンス・デイ:リサージェンス 
インフェルノ 
ウルヴァリン
ウルヴァリン:SAMURAI
エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) 
エクス・マキナ 
オーバー・フェンス 
オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 
グランド・イリュージョン 見破られたトリック 
クリーピー 偽りの隣人 
クローバーフィールド/HAKAISHA 
コードネーム U.N.C.L.E.
シークレット・オブ・モンスター 
シーズンズ 
ジェイソン・ボーン 
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 
ジャージー・ボーイズ
スタートレック ビヨンド 
ストリート・オーケストラ 
スノーホワイト/氷の王国 
ゼロ・ダーク・サーティ 
ダーク・プレイス 
ティエリー・トグルドーの憂鬱  
デッドプール 
トラッシュ! -この街が輝く日まで-
ドリーム ホーム 99%を操る男たち
トリコロール 赤の愛
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 
ひだるか
ファブリックの女王 
ブラック・スキャンダル 
ヘイル、シーザー! 
ペット 
マギーズ・プラン 
マクベス  
マジカル・ガール 
マネーモンスター 
マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章 
リストランテの夜
レジェンド 狂気の美学
レッドファミリー 
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 
われらが背きし者 
愛を積む人
偉大なるマルグリット
歌声にのった少年 
花のように、あるがままに
海すずめ 
奇跡の教室 
教授のおかしな妄想殺人 
君がくれたグッドライフ 
私の少女 
傷物語1 
杉原千畝 スギハラチウネ  
世界一キライなあなたへ 
太陽のめざめ 
大統領の陰謀
追憶の森 
島々清しゃ 
僕だけがいない街 
誘拐の掟 
龍三と七人の子分たち 
薔薇の名前
蜩ノ記