「マリリン 7日間の恋」を見たときにとても気になっていたこの作品、やっと観る事ができた。撮影の裏話を「マリリン」で仕入れているだけに、興味深く見られる。
なんといってもマリリン・モンローのあの胸、あのお尻、あの腹! すべてがムチムチ、パンパン。お肉が服を裂いて飛び出してきそうなほど豊満だ。後姿なんて尻が歩いているように見えるぐらい、それはそれは見事なもの。大きなだけではなく、パンっと張った弾力ある力強い尻である。あの尻に敷かれたらさぞや重いだろう。
この映画の撮影中に監督・主演のローレンス・オリビエとマリリンが険悪になっていたとは映画からはとても窺い知れない。ただ、オリビエがやたら不機嫌な大公を演じて怒鳴りまくっているのは「地」、というか「素」ではなかろうか、と思わせるものがある。それに引き換えマリリンはほんとうに愛らしく、思わずうっとりと見つめてしまう。マリリンが出ているというだけで合格点をつけられる映画だ。
これは「ローマの休日」の男女逆転版みたいな設定で、イギリス国王の戴冠式に参列するためやってきたバルカン半島の某国大公殿下が踊り子エルシーを見初めて大使館に食事に誘う、というたわいもないストーリーだけれど、これが実は第1次世界大戦前夜のバルカン情勢を背景にした、とても興味深い話なのだ。大使館を舞台に、欧州情勢に大きな影響を及ぼす駆け引きが展開する。そのサイドストーリーの深刻さに比して物語全体は極めていいかげんなコメディであり、マリリンがお色気と魅力を振りまくアイドル映画である。原作が舞台劇だけに台詞はかなり面白いし、脚本はなかなかのものだ。ただ、撮影が明らかな合成と分かる場面が多くて噴飯物。まあ、古い映画だし仕方がないか。
マリリンがずっと同じ白いドレスのままなのがちょっといただけない。もっと着替えて欲しかった。(レンタルDVD)
THE PRINCE AND THE SHOWGIRL
117分、アメリカ、1957
製作・監督: ローレンス・オリヴィエ、原作戯曲・脚本:テレンス・ラティガン、音楽: リチャード・アディンセル
出演: ローレンス・オリヴィエ、マリリン・モンロー、ジェレミー・スペンサー、シビル・ソーンダイク