もう2ヶ月以上前に見たので、細部はすっかり忘れているが…。
この映画は期待したほどの作品ではなかったけれど、ナタリー・ポートマンのバレエがびっくりするほど上手かったのには感服した。
ダーレン・アロノフスキー監督は、キリキリと登場人物を追い詰めるような作品ばかりを撮っているようだが(1997年のデビュー作「π」とかhttp://d.hatena.ne.jp/ginyu/20080323)、本作も、見ていてとても窮屈で、気持ちのいいものではない。鏡の多用といったわりとありふれた演出で主人公ニナの追い詰められた心理を表現している。ナタリー・ポートマンは線の細さがいかにも神経を病むバレリーナの雰囲気が出ていて適役だ。この映画の彼女はオードリー・ヘップバーンを髣髴させる。上品で、幼さが残る端正な顔立ち、色気が感じられない代わりに清楚感が漂う。
物語は主役のプレッシャーに押しつぶされるニナの妄想と現実が入り混じって、ほとんどホラーのような怖さ。ラストの白鳥の湖の舞台シーンは圧巻。最後の最後にニナが解放される、その高揚感だけが救い。賛否両論は措くとして、これも一つの「母源病」映画。
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BLACK SWAN
108分、アメリカ、2010
監督: ダーレン・アロノフスキー、製作: マイク・メダヴォイほか、原案: アンドレス・ハインツ、
脚本: マーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・マクラフリン、撮影: マシュー・リバティーク、音楽: クリント・マンセル
出演: ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー