吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ダークナイト

これは今年最高の娯楽作だ。もはや娯楽作としての域を超えた、複雑なプロットと何重にもひねった正義と不正義の相克が現代社会の矛盾を突く。先頃急死したヒース・レジャーが演じたジョーカーの史上最悪の極悪人ぶりも恐ろしい。 前作「バットマン ビギンズ…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

大河物語にありがちなたるみや飛躍があるのが気になるが、逆にいえば大河らしいスケールを見せる作品。原作がプロレタリア作家アプトン・シンクレアの「石油」(1927年)だけあって、石油資本の強欲とキリスト教原理主義の狂信を冷めた目で批判する。石油資…

エレファント

これは並のホラーよりよっぽど怖い映画。特にラスト。この恐怖には震撼するしかない。] この映画、まずは画面の狭さに瞠目。窮屈な画面に手持ちカメラの映像が延々と淡々と映し出される。それは妙な風景だ。高校生たちの日常がほとんど退屈なまでに描かれて…