瀬々敬久監督の作品だと思い込んで見ていて、「瀬々監督も最近はこんな楽しいコメディを作るようになったのか」と驚いていたら、実は矢口史靖作品だったと見終わってからわかってガクっときたという落ちが付いてます、はい。瀬々監督のは「フライング・ラビッツ」だったのである。
これも労働映画の一種といえよう。航空産業で働く人々の群像劇であり、主人公はパイロットと客室乗務員だけれど、整備士や航空管制官や鳥を撃つ人まで登場して、飛行機を飛ばすためにいろんな人たちがかかわり、それぞれの役目を果たしていることがわかって興味深い。
して物語は。新人客室乗務員の斎藤悦子(綾瀬はるか )が乗り込んだハワイ行きの国際便、これに乗り込む副操縦士は機長昇格への最終テストをこのフライトで受けることになり、緊張していた。案の定、大型台風が近づいて、さらに飛行機に不具合が起きて。。。。という、「ドジでのろまなスチュワーデス物語」から一気にパニックものへと急展開!
恐るべきクレイマーに対応してぴしゃりと言い含めた先輩CA(寺島しのぶ )のかっこよさは特筆もの。これ、いつかどこかで使ってみたいセリフだと思って感動したのに、すでに忘れている(^-^;。
福山雅治と結婚して話題になった吹石一恵も先輩CA役で出てるやんか~! 福山くんはこういう女が趣味だったのね。
登場人物がそれぞれ個性が際立っており、コメディの要素満タンで面白可笑しく見ているうちに、航空産業のあれやこれやがわかる仕組み。
伏線がいろいろ張ってあり、それがうまく回収されていくのも小気味よい、とても楽しい映画。これはお奨め。
でも、斎藤悦子みたいなドジなCAがほんとに何人も乗っているのだとしたら、ANAの飛行機には危なくて乗れないよね、と思ってしまったわ(^-^;。(レンタルDVD)
103分、日本、2008
監督・脚本: 矢口史靖、製作: 亀山千広、音楽: ミッキー吉野
主題歌: フランク・シナトラ 『カム・フライ・ウィズ・ミー』
出演: 田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、田畑智子、寺島しのぶ、
田中哲司、平岩紙 、笹野高史、小日向文世、柄本明、岸部一徳