今日は久しぶりの休肝日。ここのところあまりにも忙しくて体力を消耗したのか、体調が悪くてしんどいので、お酒は止め。かつては鉄の肝臓を誇ったわたしも寄る年波には勝てないのか、肝臓も腎臓も数値が悪くなってしまった。病人になる日も近い。
とはいえ、今日が締め切りの原稿をなんとか書き上げたので(書き終わってみれば何もたいしたことを書いていないのになんでこんなのに苦しんでいたのか理解に苦しむ)、ほっとしている。
というわけで、久しぶりに映画の感想を。今日はパンデミックものの「コンテイジョン」。
グィネス・バルトローが登場してすぐにあっけなく死ぬ。彼女は香港への出張帰りに浮気していて、その相手から感染したようなのだが、浮気の罰のようにその死に方が凄惨なのだ。しかも死んでからもあっと驚くひどい目にあっているから、浮気女はこんな目に遭うのだ、と言ってるみたい。ソダーバーグ監督は何かこの件で恨みでもあるのではないか(笑)。
というように、有名スターがあっけなく死ぬ幕開けにまずは驚く。続いて、重要な登場人物がまたまたあっけなく死ぬのでさらに驚いてしまう。
そんなこととは無関係に、パンデミックとパニックは淡々と進む。その様子が事細かく描かれ、相当入念な取材をした上で脚本を練ってあるのだろうと想像がつく。丁寧な映画の作りには好感が持てるし、何よりも、ヒーローが一人で頑張って人類を救うという話になっていないところがいい。また、この機に乗じて売名行為に走るフリーライターのアランという人物をジュード・ロウが好演・怪演していることも特筆すべきだろう。下卑た男の野心をむき出しにした演技はぞっとするほど上手い。こういう唾棄すべき人物をジュード・ロウが演じるということがイメージにそぐわず、なかなか面白い。
ドラマティックな展開とは異なり、リアリティ重視の演出はドキュメンタリータッチで進むので、時に眠気を催す危惧もあるが、それだけに感染症の広がりの恐怖がじわじわと押し寄せてくる。また、ネット時代の流言飛語の拡大やマスメディアの動きなど、実際さもありなんと思わせる展開であるだけにいっそう怖い。
巻頭のシーンへとつながるラストはお見事。(レンタルDVD)
CONTAGION
106分、アメリカ、2011
監督:スティーヴン・ソダーバーグ、製作:マイケル・シャンバーグほか、製作総指揮:ジェフ・スコールほか、脚本:スコット・Z・バーンズ、音楽:クリフ・マルティネス
出演:マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット