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吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

X-MEN:ファイナル ディシジョン

 やはりこのシリーズは面白い。シリーズ第3作は、これだけ見ても十分面白い。てか、前2作をほぼ忘れているので、わたしとしてはこれだけで単作扱い(汗)。
 しかし、登場人物(ミュータント)が多すぎて名前と顔が一致しない! 最後まで誰が誰だかよくわからなかった(大汗)。
 それでも、ウィキペディアがあるので便利ですなー。過去作のストーリーはウィキペディアを読んで復習しました!

 今回は、「ミュータントは病人だから治療して普通の人間にすればいい」という親切な人間が現れて、ミュータントを人間化するワクチンを開発してしまう。これは「黒人を整形手術して白人にすればいい」みたいな発想と同じですな。そしてこの薬「キュア」によって完璧な白人女性に変えられてしまった時のミスティークの美しさと哀れさは心に残る。どちらが美しかったのか? ミュータントとしての青い肌の彼女と、真っ白い肌の白人と。大変意味深い場面だ。

 このシリーズ作品は善悪の判断を棚上げにすると同時に、観客の価値観や差別意識を揺さぶる面白さがある。ところが、善悪を棚上げという基本路線を逸脱する設定が今回行われた。それがジーンである。亡くなったはずのジーンが二重人格を持った人物へと増悪し、彼女の中で善悪の交代劇が始まる。善悪がはっきりしないところが良いのに、ジーンの中では善悪が極めて明確に区別がつく。表情まで全部変わってしまうからわかりやすい。まあ、そうしないと二重人格の区別がつかないから演出上、やむを得ないのだろう。

 ジーンの力が大きすぎて、ミュータント界の秩序を乱す。それは映画全体の物語の整序も乱す。どうも今回ジーンという女性の存在がえらく気になる。だれかこれをちゃんと分析すべきではないか。

 これ、絶対に続編ができる終わり方ですな。(レンタルDVD)

X-MEN: THE LAST STAND
105分、アメリカ、2006 
監督: ブレット・ラトナー、脚本: ザック・ペン、サイモン・キンバーグ、撮影: フィリップ・ルースロ、ダンテ・スピノッティ、音楽: ジョン・パウエル

出演: ヒュー・ジャックマンハル・ベリーパトリック・スチュワートファムケ・ヤンセンイアン・マッケランレベッカ・ローミンアンナ・パキンエレン・ペイジ