吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

今年のベスト本。109冊の中から

 「今年の3冊」を選ぼう。2004年に刊行されたものの中からは以下の3冊。

 『ヒューマン・ステイン』 フィリップ・ロス
 『戦争が遺したもの』 鶴見俊輔上野千鶴子小熊英二
 『他者と死者』 内田樹

 今年の出版物ではないけれど、今年読んだものとしてベストなのは『民主と愛国』(小熊英二著)。

 それ以外のベストは、

 『テクストから遠く離れて』加藤典洋著、
 『日本文学盛衰史高橋源一郎
 『季節の記憶』保坂和志
 『敗北を抱きしめて 増補版』ジョン・ダワー著
 『野川』古井由吉
 『サイファ覚醒せよ!』宮台真司速水由紀子

 といったあたりか。

 『反社会学講座』も大いに笑わせてもらったので、よかった。


 もちろん、このほかにも心に残る本、感動させられた本、考えさせられた本、大笑いさせてもらった本が何冊もある。だいたいが、映画も本も好きで見ているんだから、点数がそんなに辛いはずがないのだ。
 
 番外だけど、楽しいエッセイを一つ紹介する。『森のうた 山本直純との芸大青春記』。これはamakoさんに借りた本。昔の学生のバンカラぶりも微笑ましく、岩城宏之の巧みな文章を堪能できる上質のエッセイだ。岩城宏之山本直純という指揮者二人の東京芸大時代の思い出話をつづってあるのだが、芸大での授業風景や学生だけのオケを結成していくおもしろおかしい様子、山本直純のハチャメチャな脱線ぶりなど、なるほど芸術系の学生というのはこんなに個性豊かでおもしろいのか、と大笑いできる。これに比べて最近の若者の小さくまとまってしまうことといったら、情けない限りだ。
 というようなことを書くと「ピピも年寄りみたいなことを言う」と言われてしまいそうだね。