吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

黒い罠


 アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」でその長回しが素晴らしいと言及された作品なのでつい興味を持って見たけれど、確かに冒頭の長回しは奥行きも高さもあるスケールの大きなワンカットで感心したがあとはちっとも面白くない。なんにもハラハラもドキドキもしない警察アクションもの。1時間ぐらい見たところで寝てしまったからラストは知りません。

 面白くないとはいえ、物語の舞台がアメリカとメキシコの国境を往還しつつ展開するところは興味深く、ボーダレス時代の今となってはいろいろ考えさせられる材料にはなる。しかし、「混血」とか「こちらと向こう」といった「内在する他者」という隠れテーマが作品の中で深められる気配は感じられず、人物の造形にも深みがなく、単調なサスペンスなのでとにかく退屈してしまった。(レンタルDVD)

----------------------------------

TOUCH OF EVIL
アメリカ、1958年、上映時間 93分
監督・脚本: オーソン・ウェルズ、製作: アルバート・ザグスミス、原作: ホイット・マスターソン、音楽: ヘンリー・マンシーニジョセフ・ガーシェンソン
出演: オーソン・ウェルズチャールトン・ヘストンジャネット・リー、ジョセフ・カレイア、エイキム・タミロフ、マレーネ・ディートリッヒ