
見終わって一週間経っていないのに既に記憶がほとんど残っていないという存在感希薄な映画。レビューを書こうにも内容を思い出すのに四苦八苦。やむなくいろんなサイトを回って映画のストーリーをおさらいしてから書くことにします。
というわけで、いくつか調べて思い出しました(^^;)。
そうそう、これはハリウッドでは公然の秘密だったらしいけど、スーパーマン俳優はMGMの重役夫人の愛人だったわけで。
1950年代にTVでスーパーマンを演じて人気絶頂になったジョージ・リーブスが、結婚式の三日前に自殺した。謎の自殺とされ、様々な憶測を呼び、未だに真相は解明されていない。この事件の真相を追った作品、ということになれば「ゾディアック」と同じように実際の未解決事件を追う探偵(「ゾディアック」は新聞記者だった)が主役となる。だが作品の出来がかなり違う。「ゾディアック」のように事件そのものに魅入られて破滅していく「追跡者」の悲哀や怖さがこの「ハリウッドランド」にはない。物語がするすると進んで何も引っかかるものが感じられないのだ。事件の真相を追う探偵にフィクションの人物を配置して彼の家族問題を織り込むなどストーリー的な工夫は感じられるが、こちらに迫ってくるものがない。探偵シモを演じるのがエイドリアン・ブロディだからいかにも情けない頼りない感じがそこはかとなく漂い、この男には真相究明なんて無理だろうと思わせる。そして、その通りに結局は藪の中の真相は相変わらず。
TVの子ども向け番組でスーパーヒーローとなった男には映画の出演依頼はやってこない。ジョージ・リーブスの焦りや苦悩はなるほど描けてはいるが、それもいかにもありきたりである。唯一の面白さはやはりジョージと年上の愛人トニーとの関係だろう。こういう醜聞が見ていて興味をそそる(て、わたしも下世話なこと(^_^;))。映画界のドンを夫に持つ裕福なトニーが愛人ジョージのために仕事も家も買い与える。そのことを知っていながら夫はトニーを溺愛しているかのようだ。しかも自分も日本人女性を愛人として囲っている。このけったいな夫婦がハリウッドを象徴するのだろう。色欲と金欲と虚飾の世界でのし上がっていくMGMの重役の貫禄やうさんくささがなかなかよかった。
ダイアン・レインがトニーを演じているのだが、かなり老け役に挑戦していて、美しいけれどどっちかというと「老婦人」に近い印象を受ける。ジョージ・リーブス役のベン・アフレックも熱演しているが、わたしは彼が苦手なのであまり魅力的に思えなかった。
とにかく演出にぴりっとしたところがなく、謎解きの面白さも特になく、脚本にも秀逸さを感じることができない。かといってそうボロカスにけなすほどひどい出来でもないので、それなりに楽しむことはできた。という、中途半端な作品です。(レンタルDVD)
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ハリウッドランド
HOLLYWOODLAND
アメリカ、2006年、上映時間 126分
監督: アレン・コールター、製作: グレン・ウィリアムソン、脚本: ポール・バーンバウム、音楽: マーセロ・ザーヴォス
出演: エイドリアン・ブロディ、ダイアン・レイン、ベン・アフレック、ボブ・ホスキンス、ロイス・スミス