
舞台をエジプトから中国に移したっていうのは、北京オリンピックを意識してのことでしょうかね、やっぱり。それとも、西洋からの「オリエンタリズム」(@エドワード・サイード)の視線がもはやエジプトでは事足りず東進した結果、中国まで行き着いたということかも…? と、ちょっとうがってみるけど、まあ、要するに今は中国が世界の注目を集めているから、という単純な理由に過ぎないのかも。
この夏、家族そろっての映画鑑賞はこの作品。で、わたしはこれ、「インディ・ジョーンズ4」より面白いと思った。子どもたちはインディのほうがいいと言うから、その評価の違いは奈辺にありや? ばかばかしさではインディも本作もあんまり変わらないのだけれど、インディで寝たわたしも本作では寝なかったということは、観客を退屈させない演出の工夫が本作のほうが上ということですね。
インディ・ジョーンズの最新作が緩急をつけない単調な演出だったのに比べれば、本作は肉体が直にぶつかり合うカンフー・アクション、銃撃戦、集団戦、カーチェイス、とヴァージョン豊かで、まったく飽きることがなかった。しかし、前作までにあったばかばかしくも爆笑できるシーンが減ったことは残念。とかいいながら、実は前作も前々作もほとんど覚えていなかった(^_^;)。
それに比べてY太郎はシリーズ前作をよく覚えていて、「飛行機のパイロットは前は黒人だったのに」とか、いろいろ違いを指摘していた。やっぱり親はもう記憶力がほとんど残っていないため、どんな作品も新鮮な目で見ることができますなぁ。って、それはいいことなのか悪いことなのか?!
本作ではロケ地が万里の長城だったりヒマラヤ山脈だったりして、いきなり雪男が登場するけど、そこはそれ、これも愛嬌だからと笑ってスルー。で、相変わらず図書館が重要な要素を占めていて、永遠の命を与えられる古代の知恵の謎を解く鍵が世界最古の図書館にあるということになっている。図書館司書なら誰もが知っているはずの、図書館史の講義で必ず登場する「世界最古の図書館」たるメソポタミアの文書館(粘土板書庫)とはちっとイメージが違うけれど、まあ、近いものがありますな。
余談ですが、映画には意外と図書館がよく登場する。「なんで?」と息子たちに訊かれたけど、答えは簡単ではなかろうか。脚本家は脚本を書くためには図書館を大いに利用しているはずだし、とても身近な存在のはず。映画にはよく図書館が登場するため、映画好きの図書館員たちのあいだでは図書館映画のメーリングリストまであるのだから。
閑話休題。本作はどうせオバカ映画なんだから、この際もっとバカさ加減を発揮して欲しかったが、そこが不満ではある。ユーモアの部分でこれまでの作品に見劣りする。また、家族共同体の危機に対して主人公たちが親としての役割をめぐって口論するシーンの浅薄さが鼻についた。しかし、インディより退屈しなかったので、この夏休みの娯楽作としては十分合格です。
そうそう、イザベラ・リョン、若くてかわいい! これからヒットする女優でしょう。
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ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝
THE MUMMY: TOMB OF THE DRAGON EMPEROR
アメリカ、2008年、上映時間 112分
監督: ロブ・コーエン、製作: ショーン・ダニエルほか、製作総指揮: クリス・ブリガム、脚本: アルフレッド・ガフ、マイルズ・ミラー、音楽: ランディ・エデルマン
出演: ブレンダン・フレイザー、ジェット・リー、マリア・ベロ、ジョン・ハナー、ラッセル・ウォン、リーアム・カニンガム、ルーク・フォード、イザベラ・リョン、アンソニー・ウォン、ミシェル・ヨー