今年5月に映画館で観た。
ヒュー・グラントの怪演が見ものの映画。彼が演じた主人公は中年の怪しい人物で、郊外の一軒家に住んでいる。その彼の家を布教のために訪れた若い女性二人組が拉致されるという恐怖体験を描いている。ほとんどホラーの様相を呈しているが、超常現象が出てくるわけではない。
この二人組がモルモン教徒だったことから、本作の製作陣は教団から抗議を受けたらしい(劇場用パンフレットの町山智浩の文章に拠る)。実際、モルモン教の信者たちは熱心に布教活動を行うし、二人組で家庭訪問をすることもそのままこの映画に描かれた通りということだ。
して、主人公二人組はミスター・リードという人物の家に聖書を持ってやってくるが、リードにうまく言いくるめられて地下室に閉じ込められてしまう。リードの狙いは何なのか? リードはシスターたちに宗教論争をけしかけ、二人を精神的にも追い詰めていく。
ミスター・リードはユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教を並べていずれをも批判する。宗教論争の様相を呈しているが、結局のところは悪魔教の変態教祖ともいうべき人物が彼なのだ。おどろおどろしい展開と精神的に追い詰められる恐怖でなかなかの怖さを発揮する映画である。
見ていて気持ちのいい映画ではないのだが、結局のところ一神教の世界を批判するのが目的だったんだろうか? 劇場にはレイトショーだったこともあってか若者が多く来場しており、口々に「すごい映画やなあ」「言葉が難しい。なんのことかわからん」などと言いあっていた。
2024
HERETIC
アメリカ / カナダ Color 111分
監督:スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
製作:ステイシー・シェアほか
脚本:スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
撮影:チョン・ジョンフン
音楽:クリス・ベーコン
出演:ヒュー・グラント、ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト、トファー・グレイス
