吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

不思議惑星キン・ザ・ザ

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 なんでこんなけったいな映画を見てしまったのか忘れたけれど、観ている間中、なんじゃこら?! と思い、終わったときもいつの間にか意識不明になっていたからどういう結末だったかほぼ忘れたが、異星に瞬間移動した二人は無事に地球に戻れたっぽい。めでたしめでたし。

 いやあ、ほんまこれ、旧ソ連の社会批判ものなのかそれとも資本主義を風刺しているのかよくわからない。こんなポンコツの世界でよく地球まで宇宙船を飛ばせたねえ。宇宙船たって、ほとんどドラム缶やね、それ。美術というかプロダクションデザインというか、それは経費節約のために廃道や廃トンネルをロケに使ったんじゃないか疑惑が湧くような不思議なもの。異星人たちの身なりが余りにもみすぼらしいので、強制収容所に入れられた囚人のようだ。

 ストーリーはあるのかないのかわからないが、ある日街角で貧しい身なりの男が「自分は異星から間違ってやってきてしまった」と訴えるのをたまたま通りかかった中年男性と若者の二人が耳を貸したばっかりに、よくわからない星に一瞬で飛ばされてしまった、さてこの二人は地球に戻れるのか?! というもの。異星人たちは砂漠の中に住んでいる? 砂漠以外に町があるらしいが、その町になかなかたどりつけない。そもそも彼らは「クー」という以外の言葉を発しない。それですべて用が足せるらしい。でもそのうちになぜかロシア語をしゃべるようになって(ご都合主義)、地球人二人にマッチをねだる。マッチが貴重品のこの星では、マッチを持っていることが社会的ステイタスというか、富の源泉のようだ。

 とにかく訳のわからない展開で、なかなか地球に戻れそうにない二人の様子を見ていると、カフカの小説を読むような気分になる。この映画が一部にカルト的人気を誇っているらしいというのも頷けるようなそうでないような(笑)。実はこの映画のアニメ版は見ていたのだが、とてもつまんなくて爆睡してしまったことを思いだした。まだこっちの実写版のほうが面白い。 (Amazonプライム・ビデオ)

1986
KIN-DZA-DZA
ソ連  Color  134分
監督:ゲオルギー・ダネリア
脚本:レヴァス・ガブリアゼ、ゲオルギー・ダネリア
撮影:パーヴェル・レーベシェフ
音楽:ギヤ・カンチェリ
出演:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ、ユーリ・ヤコヴレフ、
レヴァン・ガブリアーゼ