これは3月に映画館で見たのに感想を書く時間がなくて放置したままになってしまった。見終わったときは、「これぞ映画! 映画館で見られてよかった~!」と満足していたものだ。もう一度見てみたいと熱望していた。
Amazonプライムで第1部を、Netflixで第2部を見ることができるようになったので、再見。この三部作の第1作も素晴らしかったし、2作目もますます素晴らしい。緩急でいえば第2作が「急」である。第1作も改めて見直して、意外にアクション場面が多かったことに気づいた。第1部で惑星を巡る長い長い権力闘争の基本構造が示されるが、皇帝を操っているのが誰なのか、その本当のところは明らかにされない。砂の惑星デューン(アラキス)に国替えさせられたアトレイデス公爵は、宿敵ハルコンネン男爵の奸計に陥れられて暗殺された。アトレイデス家の跡取り息子であるポールは、超能力を操れる母親に訓練されて、未来の予知夢を見ることができるし、人の心もわずかだが操れる。そんな彼は第2部に至って覚醒し、自ら先住民フレメンの救世主を名乗ることを選ぶ。
第2部を再見して改めて思うことは、この世界の構造が複雑すぎて1回や2回見ただけでは映画の内容が頭に入ってこないということだ。もうわたしの記憶力が極端に落ちているから、話の順番もよく覚えていられないし、皇帝が居て貴族が居て、騎士道精神の塊のような忠臣の騎士が居て、イスラム教徒のような砂漠の民が居て。ここは古代なのか中世なのか、遠い未来なのかよくわからない。何しろ原作小説が1965年ごろのものだから、機械や装置がいろいろと古い。映画化にあたってどこまで原作に忠実に再現したのかわたしにはわからないので、文明の発達度がえらくぎくしゃくしているのが不思議なのだが、そこは目をつぶることにしよう。
第2部の巻頭、「スパイスを制する者はすべてを制する Power over Spice is power over all」という字幕が出る。スパイスは宇宙を航行するのに必須の物質であり、デューン(アラキス)でしか採掘できず、砂漠にすむ巨大な生物「サンドワーム」に襲われる危険を冒しても採掘しなければならない、巨富を生む源泉であった。第2部ではそのサンドワームを巧みに操る先住民フレメンが大活躍する。主人公ポールが特大サンドワームに乗って砂漠を滑走する姿は「風の谷のナウシカ」の王蟲を彷彿とさせる。
第1部がやたら陰鬱で暗さが際立ったのに比べて、第2部はアクションが増えてスピード感が増した。謎が次々と明らかになり、ポールの母の野望も大きな焦点を結ぶようになる。母親のレベッカ・ファーガソンンが大活躍なので主役を食ってる感もある。女性の活躍が目立つこのシリーズである。
映画作品として、美術と撮影の素晴らしさは特筆すべき。さらにハンス・ジマーの音楽が重低音を響かせて印象的なメロディーを繰り返す。砂漠の嵐を思わせる、そして砂の軽さと重さを感じさせる効果的な音楽だ。音楽というよりは音の重なりというべきか。総合的に見て、2024年のナンバー1作品である。
しかし結局のところ権力闘争に決着をつけるには武力を用いるしかないのだろうか。現実世界の戦争を思い起こすにつれ、沈鬱な気分になる…。物語はいよいよ第三部へ。
2024
DUNE: PART TWO
アメリカ Color 166分
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:メアリー・ペアレントほか
原作:フランク・ハーバート
脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ジョン・スペイツ
撮影:グレイグ・フレイザー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、ジョシュ・ブローリン、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、デイヴ・バウティスタ、クリストファー・ウォーケン、レア・セドゥ、ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリング、ハビエル・バルデム、アニャ・テイラー=ジョイ
