吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

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 なぜウディ・アレンの作品に出てくる主人公はウディ・アレンみたいに見えるのだろう? 外見は全然違うのに、背中を少し丸めて早口でしゃべる様子、手振り身振り、全部ウディ・アレンやんか! でもティモシー・シャラメ君ですからね、ウディ・アレンとは似ても似つかないイケメンです。

 で、相変わらずのユダヤ・ネタ満載。ユダヤ人上流階級のお話というのはウディ・アレンにとってはずっとずーっと離れない離せないテーマなんだろう。映画業界内幕ものもいつものこと。ギャグ連発のしゃべりまくるちゃらい男が主人公で、美しい恋人がいるのにほかにも眼が行く。二人はせっかくの豪華デートのはずがなぜか問題がいくつも発生して会えない!(「君の名は」かい)

 人生はすれ違い、そして意外な結末へと転がっていく。笑っているうちにあれよあれよと終わってしまった。ウディ・アレンの映画もここまでマンネリになるとかえって安心するよ、「水戸黄門」みたいに。

 なんと、撮影はヴィットリオ・ストラーロであったか。ニューヨークの街並みが穏やかに美しい光を茫洋と放っていたのは彼のカメラのおかげであったか。ずっと雨が降っているか曇っているかというロケはなかなか大変だったんじゃないかな。まあ、雨は降らしているのか。

 あそうそう、ストーリーを書いておこう。田舎の大学に通う同級生カップル二人がNYにやってくる。彼らは富裕層の子女であり、親の勧めもあって付き合っている。彼女が有名監督のインタビューを大学新聞に掲載することになるのだが、そこから話がころころと転がって、次々現れる登場人物はみな問題を抱えていて、それに振り回される彼らはデートの約束は反故にされ、彼の前には生意気そうな女が現れ、といろいろあって。というラブコメ。すべてが軽い。でもその軽さが心地よいのでこの映画は割と好き。(Netflix)

2019
A RAINY DAY IN NEW YORK
アメリカ  Color  92分
監督:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソン、エリカ・アロンソ
製作総指揮:アダム・B・スターンほか
脚本:ウディ・アレン
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
出演:ティモシー・シャラメエル・ファニング、セレーナ・ゴメス、ジュード・ロウディエゴ・ルナリーヴ・シュレイバー