なんとも不思議な映画だ。ニュージーランド映画そのものを見る機会があまりないのに、初かもしれないニュージー作品がこれでは、かの国に対して偏見が生まれそうだ。全編とにかく妙な映画で、コメディなんだけれど笑いのツボがかなり日本人とは異なる。面白いのか面白くないのか答えにくい作品である。わたしは割といけると思ったけれど、これはあまり人におすすめできないかもしれない。逆に、ツボにはまると大いに受けるので、一部に熱狂的なファンを生みそうな映画である。
ニュージーランドってあんなに大勢バンパイアが居たのか。そのうえ狼男まで!
バンパイアが獲物になる人間を屋敷に招待する場面なんか、けっこうイジメっぽくてちょっと引いたわ。「こんなやつだから友達もいないと思って連れてきた」とか「この顔で処女じゃないの? うっそー」みたいなセリフ、きわどい感じですな。
バンパイアが4人でシェアハウスしてて、その様子を人間がドキュメントしていくっていう設定にしてあるのだが、いちいち登場人物たちがカメラ目線になるのが可笑しかった。バンパイアものだが、よく練られた小ネタはふつうに人間社会に転がっている、人と人とのつきあいの距離の取り方や「世間」と「社会」との谷間をよく観察した結果と言える。
この映画を見た人の感想を聞いてみたい気を起させる不思議な映画だった。ちなみにものすごい低予算作品と思えるので、大掛かりなセットなどは期待しないように。(レンタルBlu-ray)
2014
WHAT WE DO IN THE SHADOWS
ニュージーランド Color 85分
監督:ジェマイン・クレメント、タイカ・ワイティティ
製作:タイカ・ワイティティほか
脚本:ジェマイン・クレメント、タイカ・ワイティティ
音楽:プラン・9
出演:ジェマイン・クレメント、タイカ・ワイティティ、ジョナサン・ブラフ、コリ・ゴンザレス=マクエル、スチュー・ラザフォード、ジャッキー・ヴァン・ビーク