劇場未公開作。
ロシア革命を白軍側から見た作品で、当然にもレーニンの軍隊は悪役である。ミハルコフの演出は極めて重厚でカメラワークも豪快で良い。イワン・ブーニン著『日射病』を原作とする。
1920年11月のこと。すでにソ連軍に抵抗する白軍は敗北必至であったが、それでも降伏を拒否していた。捕虜になった白軍たちの過酷な生活。一人ずつ赤軍の取り調べを受けているが、調べる赤軍兵士は知識も教養もない。調べられるほうは貴族や上流階級の子弟たちだ。主人公の中尉は「なぜこんなことになったのか」と独り言のようにつぶやく。彼の回想で時は1907年のめくるめく恋の日々に戻る――。
革命というものは、反革命の側から見たらこんな風に見えるのだな、という映画だった。赤軍の理不尽なふるまいや、白軍の敗北感と無駄なプライドややるせなさがこれでもかと描かれる。
カメラの動きのスケールの大きさや奥行きのある展開はさすがミハルコフと思わせるものがある。そこはことなく漂う寂寞感や哀愁はたまらなく心をかきたてる。チャイコフスキーの音楽を聴いた時のような気分。(Amazonプライムビデオ)
2014
SOLNECHNYY UDAR
監督:ニキータ・ミハルコフ
製作:レオニド・ヴェレシュチャギン
脚本:アレクサンドル・アダバシャン、ニキータ・ミハルコフ、ヴラディミール・モイシエンコ
撮影:ヴラディスラフ・オペリヤンツ
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
出演:マルティンス・カリータ、アナスタシヤ・イマモーヴァ、ヴィクトリヤ・ソロ