ブラック企業の営業マンとして働く若き主人公が疲れ果てて思わず駅のホームから線路に倒れこみそうになった瞬間に彼を助けた人間は、超久しぶりに会う小学校の同級生だった。その後、飲み屋に直行して乾杯した二人は徐々に仲良くなり、死ぬほど苦労していた主人公もやがては大きな契約を取れるようになるが。。。。
というお話。ちょっとファンタジー色も混じっている。久しぶりに会った同級生のヤマモトが実は本当の同級生でなかったことが発覚し、それどころか彼の実在すら疑われるようになるというサスペンスっぽい展開もある。
そんなことはともかく、一番気になるところは、主人公がどんなに疲れ果てても同僚に助けを乞うこともなく、パワハラ上司の支配下にあるだけ、というところ。労働組合を作って闘うという発想がそもそもないのだ。組合が無理でも、会社のハラスメント相談窓口に駆けこむべき案件なのだが、もちろんブラック企業だからそういうのもないのだろうなぁ。
なので主人公の最終判断は「ちょっと今から仕事やめてくる」しかない。逃避行以外に救いがないという事実は救いがない。
これはもちろん労働映画のひとつ。こういう労働はつらい。 (Amazonプライムビデオ)