吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

バーフバリ 王の凱旋<完全版>

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 さすがに長いわー。エンタメ的にはこれ以上ないという無茶苦茶なサービスぶりだけれど、英雄としてバーフバリを称えれば称えるほど、だんだん虚しさが募ってくる。製作者の意図を超えて立派な反戦映画になっているではないですか!(んなわけないか)
 前作の続きがまたまた壮大なスケールで語られる。前作の見せ所は集団戦だったが、今回はさらにそれに加えて一騎打ちの場面が延々と続く。不死身の男二人が、普通なら100回は死んでる死闘を繰り広げ、もうお腹いっぱいです、許してくださいと言いたくなるほどのスペシャルバトルぶり。船は空を飛び、人間は全身武器と化し、背中に背負った弓矢は何本放っても無くならない、すべてが地球上の物理法則を無視して展開する。前作では人海戦術的に不利な自軍の籠城戦を勝ち抜くために先代バーフバリが知恵を使うところが見せ場だったのだが、今回はそういう頭を使う場面がないのが残念だ。
 その代わり、爆弾も火薬も重火器もない時代の戦争に見せ場を作るために考え付いたのが、人間噴射機! あり得ない作戦ばかり飛び出すのでもう笑ってしまうしかない。前作に続いて見せ場に過剰サービスするスローモーションも既に慣れてしまったので違和感なし。もう、この世界観に漬かってしまうところが恐ろしい(笑)。
 不思議なのは、国王の権力をも凌駕する国母の権威。なんでこんなに女が強いの? これ、インド伝説にそのまま則っているのかそれとも21世紀の映画として政治的正しさを主張するためなのか、どっち? 
 カッタッパ役の役者をずっとベン・キングズレーだと思い込んでいたわ!(←あほ

BAHUBALI 2: THE CONCLUSION
167分、インド、2017
監督・脚本:S・S・ラージャマウリ、音楽:M・M・キーラヴァーニ
出演:プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、アヌシュカ・シェッティ、ラムヤ・クリシュナ、ナーサル、サティヤラージ、タマンナー