3年前にDVDで見た作品なのだが、最近続編を見たので、せっかくだから2作品の感想を一度にアップします。
インド映画なのにすがすがしい。いや、インドが舞台だけれど、イギリス映画だ。そういう雰囲気がいい。
歳を取って、最期の地をインドに求めてやってきた何組かの人々の群像劇。それぞれが何かしらの問題を抱えてインドにやってくる。あるいは希望を抱いて。もう人生はとっくに黄昏ているのに、まだ新たな出会いを求める元気なおば(あ)さんやら、夫に先立たれて傷心の未亡人やら、熟年の危機にある夫婦やらと様々な人間模様が、ジュディ・デンチの独白でつづられていく。基本は彼女の視点が中心なので、話が散漫にならない。いかにも原作が小説ということを匂わせる展開で、ジュディ・デンチのナレーションがまた心地よいテンポを作品に与えている。
生き直しを求める人々の心はいくつになっても叶えられる。それは嘘のような偶然の奇跡がいくつも重なって実現する。いいなぁ、あんなふうに最後は生きられたらどんなにいいだろう。と、うらやましくなるお話でした。
老人の話だけではなく、そこにインドの若者の恋と夢がからむのも絶妙な感じ。全体に、お話には新味がないのだだけれど、落ち着いた演出と適度なユーモアが観客の心を和ませる。(レンタルDVD)
THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL
124分、イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦、2011
監督: ジョン・マッデン、原作: デボラ・モガー、脚本: オル・パーカー、
音楽: トーマス・ニューマン
出演: ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、ペネロープ・ウィルトン、デヴ・パテル、セリア・イムリー、ロナルド・ピックアップ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミス