吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

マッドマックス 怒りのデス・ロード

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 面白い!! なんかバカバカしすぎていい感じ。
 友達のM代さんはトム・ハーディにはまってこの映画を既に12回も見ていて、なんとIMAX版を見るために東京日帰りしたという強者(追記・修正:「IMAXは関西で2回みたので、東京にAさんと行ったのは立川シネマシティの爆音上映ですわ」とご本人から誤記指摘が入りました。ちなみに「姫路4DXも行きたい」とのことです)。かくいうわたしは生まれて初めてトム・ハーディがかっこいいと思ったわー。
 劇場用パンフレットも半端ない盛り方で、900円はちと高いと思ったけれど内容を見て納得。これだけの細かな解説がついて、昔のシリーズ1と2のパンフまで翻刻されていたら、ファンなら必携でしょう。


 さてお話は。核戦争後の地球では文明が衰退し、わずかに生き残った人々は少ない資源を奪い合って砂漠の中に集落を作っていた。イモータン・ジョーという巨漢の親分は巨岩の砦のなかにこもり、水と植物を独占することによって人々の上に君臨してカルト的な崇拝の対象となっていた。このイモータン・ジョーを始めとして、登場する奇天烈な人々の衣装やメイクがたまらない。よくぞここまで作りこんだ、というすばらしさで、この映画の魅力の半分以上が美術のおかげ。

 巨大トレーラーを運転する坊主頭の女が「シャーリーズ・セロンに似てるなー」と思いながら見ていたら、途中で「あっ、シャーリーズ・セロンだ」と驚いて椅子から転げ落ちそうになった。この人、ほんとにどんな役でもやる役者魂に脱帽します。


 昔のマッドマックスシリーズってどんな話だったか完璧に忘れたので、もはやリブートだろうが続編だろうがわたしには関係なし。近未来の砂漠や岩肌を縫ってのカーチェイスの面白さにはただもう、ストレス発散効果のみがある。これだけなーんにも頭を使わなくていい映画は素晴らしい! 片腕を失っているシャーリーズ・セロンのかっこよさも特筆すべきで、か弱き女たちを引き連れて13日の金曜日のジェイソンみたいなマントヒヒ親父のもとから脱走する、こんな姉御がいれば怖いものなし。


 というわけで、今般のハリウッド・アクション巨編は男も女もどちらも頑張る、男女共同参画時代を反映した素晴らしくすかっとする映画。たぶん何回見ても面白いんだろうな。

「血袋」、わたしも欲しい~!

MAD MAX: FURY ROAD
120分、オーストラリア、2015 
監督: ジョージ・ミラー、製作: ダグ・ミッチェルほか、脚本: ジョージ・ミラー 、ブレンダン・マッカーシー、ニコ・ラソウリス
音楽: ジャンキー・XL
出演: トム・ハーディシャーリーズ・セロンニコラス・ホルト、ヒュー・キース=バーン、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー