吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’s

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 2012年のベスト作品でレビュー積み残しをさらえていくシリーズ第4弾。

 本作はベスト10圏外の番外作品。なんでこれが番外ながらベスト作品入りかというと、前代未聞(当社比)の上映会だったから。

 1年以上前に @itonotaisuke https://twitter.com/itonotaisuke さんにチケットを分けてもらって観たアニメ。何がすごいって、まるで大昔の芝居小屋みたいに、大の大人が大きな声で画面に向かって突っ込みを入れまくり、吼えまくる、「絶叫上映会」だったこと。「すごいですよ、後学のために一度ご覧になったらいかがですか」とのお誘いで、シネリーブル梅田へと参りました。

 

 これを参与観察と呼ばずしてなんと呼ぼう。仕事が午後8時過ぎまであり、結局到着した時には上映開始後1時間近くが経っていた。ふつうは途中入場禁止なのだが、この上映に限っては入れてもらえた。ただし、窓口では「本日は絶叫上映ですが…」と気の毒そうに言われたので、「はい、了解しています」と告げる。「立ち見のお客さまがおられて通路をふさいでいますので、お席にたどり着けないかもしれません」「じゃあ、その場合は一番後ろで立ち見します」。実際には私の席は通路側だったのでうまく座ることができた。立ち見の客というのは通路に座り込んで壁にもたれている。そこまでして見たいのかぁ。チケットの争奪戦が激しかったそうだ。
 上映が終わったあと、劇場スタッフに「この絶叫上映は誰が考えついたのですか」とインタビューしたところ、「お客様からのご提案で」という回答だったのには感動した。

 アニメオタク恐るべし。


 とりあえず、絶叫上映会の雰囲気がわかるであろう、劇場からの告知文を引用。

本作品の大ヒット御礼、また当館での再上映記念といたしまして、定番となりました劇場主催【絶叫上映】を実施します!
 もはや説明は不要ですが、上映中の絶叫・絶唱・ツッコミ・拍手・サイリウム使用が可能、ライブ感覚で鑑賞できる特別上映です!
 未体験の方から、何度もご来場頂いている方まで、今年最後の絶叫上映を、“絶叫上映発祥の地“シネ・リーブル梅田でぜひご体感下さい!
【諸注意】
 ◆当該上映回に限り、上映中の絶叫、絶唱、ツッコミ、拍手などが可能な上映となり、静かに作品を鑑賞されたい方には不向きな上映となりますので、予めご了承のうえご入場ください。
 ◆サイリウムを使用される方は各自ご用意をお願いいたします。
 ◆周囲の方へのお気遣いを忘れずに、皆さんが楽しい絶叫鑑賞になるよう、ご協力をお願い申し上げます。

【禁止事項】
◆場内での録画、録音、撮影、機器を使用しての音出し
 ◆場内でのパソコン、携帯電話の操作
 ◆火気類、危険物の持ち込み
 ◆立ち上がったり、後方の方の視界を大きく遮る行為
 ◆暴れたり、器物を損壊する行為
 ◆その他公序良俗に反する行為
 ◆上記以外でも、余りに過剰な行為と判断した場合、退席をお願いすることがございます。
 改善されない場合は上映を中止することもございますので、皆様のご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。

 大きな声で台詞を唱和したり歌ったりペンライトを振ったり、集団の統率が取れているところがすごい。てっきり高校生と大学生ばかりかと思っていたら、劇場から出てくる男たちのなかにいい歳をしたおじさんが多いのには驚いた。


 映画終了後は場内拍手喝采。上映後に劇場スタッフがマイクを持って挨拶するなど、通常の上映とはまったく様相が異なる。映画がはねた後もなかなか場内から立ち去らず、大勢で記念撮影をしたりして、とっても熱い。氷川きよしのファンクラブみたいなもんか。