大阪芸術大学大学院美術学科在学中の若き作家の作品を観た。
小松原智史さんの「ゾウ・ショク」である。展覧会の途中でライブ・ドローイングしている小松原さんの姿が見えると思うが、彼は「増殖」をテーマに、そのときどきに沸き起こったイメージを描いて行くのだという。展覧会の途中で増殖していく作品というのも面白い。
観ているとすごいスピードなので、「かなりの速さですね」と声をかけたら、「展覧会中のほうが速く描けるのです」とのこと。最初、小柄な小松原さんの姿にてっきり女子大生かと思って声をかけたら男性だったので驚いた。その細いからだでこれだけのイメージの爆発を描くとは恐れ入る。
どことなくブリューゲルのような大友克洋のようなその絵は、よく観ると細部にいたるまで増殖していることがわかる。内側からメリメリと何かが沸き起こってきているような絵だ。つい眼が釘付けになる。