吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

バーン・アフター・リーディング

 確かにコーエン兄弟らしいシニカルなユーモアには違いないし、ふとしたことで踏み外した階段から転がり落ちて地獄へ真っ逆さま…てな感じは相変わらずたいへん面白いのですが…。どういうわけか、キレがいまいち。CIAをコケにするお話で、元を質せば全身整形手術を受けたいという野望を抱いた中年女性の欲が回り回って大勢の人間を死に至らしめるという、とんでもないお話。しかも彼女は最後にちゃんと整形手術のための費用を手に入れるのだからげに恐ろしきは女の欲と執念、というところか。


 それにしてもブラピを上映1時間であんなふうに殺してしまうなんてほんとに驚いた。コーエン兄弟ってすごいことをしますねぇ。とにかく先が読めない。いったいこれ、どう転ぶのか、さっぱりわからないから、最後まで飽きずに見ることができた。しかも音楽がやたら重厚で真面目におどろどろしくかき鳴らされるものだから、まるでホラーかサスペンス、という感じ。しかしやっぱりアホ面のブラピを見るかぎり、コメディ以外のなにものでもない。ブラピが嬉しそうに役にはまっているところがとにかく笑える。


 役者が豪華でそれぞれがそれぞれらしい役所で軽く熱演しているので、オールスターキャスト映画としても見逃せない。期待したほどではないとはいえ、なかなかよろしいですね、息抜きの一作。(レンタルDVD)

バーン・アフター・リーディング(2008)
BURN AFTER READING
上映時間 93分
製作国 アメリカ
映倫 PG-12
監督: イーサン・コーエン
ジョエル・コーエン
製作: イーサン・コーエン
ジョエル・コーエン
製作総指揮: ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
ロバート・グラフ
脚本: ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
撮影: エマニュエル・ルベツキ
音楽: カーター・バーウェル
出演: ブラッド・ピット チャド・フェルドハイマー
ジョージ・クルーニー ハリー・ファラー
ジョン・マルコヴィッチ オズボーン・コックス
フランシス・マクドーマンド リンダ・リツキ
ティルダ・スウィントン ケイティ・コックス
エリザベス・マーヴェル サンディ・ファラー
リチャード・ジェンキンス テッド
J・K・シモンズ CIA上官
デヴィッド・ラッシュ
オレク・クルパ
マイケル・カントリーマン
ライアン・オニール
アーマンド・シュルツ