吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ナイト&デイ

 荒唐無稽なアクション映画。すごく面白かった。

 世界をまたに駆けて縦横無尽に暴れまくり、敵をバッタバッタとなぎ倒すかっこいいヒーローと、そのヒーローに守られる(トウが立っているけど)可愛いヒロイン、それに加えて観光地のロケもてんこ盛り。とくれば、老若男女あまねく楽しめる、これ以上ないエンタメ作でございます。


 ある日、空港で偶然ぶつかったイケメンが実はCIAのお尋ね者だったら? しかもなぜかそのお尋ね者が、行く先々で自分の危機を救ってくれる驚異の戦闘能力を持った王子様だったら?! なんていう、女の子的には夢物語の映画。て、いまどきこういうのが流行るのかしらねぇと思ったけど、これがまあ、ストーリーの整合性とかリアリティなんてどうでもいいからとにかく面白くすればいいというサービス精神にあふれた映画なものだから、じゅうぶん、流行ることでしょう。どれだけ弾丸(たま)が飛んでこようが車がぶっ飛んでこようが、ヒーローとヒロインには絶対に当たりません。それどころか、どんな超能力を使ったのかしらないが、意識を失っている間にいつの間にか南の無人島にいたりアルプスを走るオーストリアの特急列車にいたりスペインにいたり、それはそれは夢か幻かの世界旅行の数々! ハリウッド版「どこでもドア」か(笑)。

 最初は守られるだけだったヒロインがいつのまにか能力向上委員会、最後はヒーローを救ってしまうという21世紀的に正しいフェミニズム・オチがつく。

 個人的には、キャメロン・ディアスよりも、スペイン武器商人の連絡係を演じた黒髪黒い瞳の女優ガル・ギャドットのほうが遥かに美しいと思う。

 「夜も昼も」っていうタイトルかと思ったら、”KNIGHT”であったか、なるほど。これは駄洒落タイトルですからね、最後にほほぉ、と思わせるようにできております。

KNIGHT AND DAY
109分,アメリカ,2010
監督: ジェームズ・マンゴールド、製作: トッド・ガーナーほか、脚本: パトリック・オニール、音楽: ジョン・パウエル
出演: トム・クルーズキャメロン・ディアスピーター・サースガードヴィオラ・デイヴィスポール・ダノ、ジョルディ・モリャ、ガル・ギャドット