昨日、4月29日のエントリーのコメント欄に短く書きましたが、hebakudan(屁爆弾)さんが5月3日に亡くなられました。声に出していいにくいハンドルネームですが、女性です。このハンドルネームから分かるように、一筋縄ではいかないような強烈な個性を発揮する文章を書かれる方でした。わたしにはとても真似のできないほど豊富な読書に裏打ちされた教養のある方で、自他に対する厳しさにはしばしばたじろいでしまうほどでした。そのキリキリとした文章は、この人がいつもギリギリのところに自分を追い込みつつ、そして自分から距離をとって自身を嗤う余裕のある方なんだと畏敬の念をいだかせるものがありました。
わたしはこっそりと時々ロムっているだけで、もう何年も彼女のブログにコメントを書き込むことはありませんでしたが、3月末に拙ブログを再開したところ、既に病状も進んでいたであろうに、明るいお祝いのメッセージコメントを書き込んでくれました。hebakudanさんのブログから受ける印象に騙された読者は多いと思います。わたしが楽観していたよりはるかに症状は重かったのですね。まさかこんなにあっという間に逝ってしまわれるなんて、信じられません。
昨日はhebakudanさんの夢を見ました。一度もお会いしたことがないのに、知っているのはご本名と職業ぐらいなのに、悲しくて悲しくて、たまりませんでした。病床で声の日記を録音されていたそうです。その記録がhebakudanさんのご家族によって綴られています。
http://d.hatena.ne.jp/hebakudan/20100508/1273316413
「目が使えないと煙草を吸いたくならない。なぜなら喫煙はけむりのゆらゆらが見えないと楽しくないから。つまり愛煙家はこんなつまらない屁のようなものに執着するわけだ。そんな種族の一人でいられた自分を私は恥じない」
という言葉がいかにもhebakudanさんらしくて、思わず笑い泣きしてしまいました。
もう二度とあの毒舌を読めないのは本当に残念です。そして、古いエントリーをサバサバとネット上から削除してしまった潔さにも感動すると同時に読者の為には残しておいてほしかったと残念でなりません。
今はただ、ご冥福を祈るばかりです。屁爆弾さん、どうぞ安らかにお眠りください。