吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

インファナル・アフェア

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 これはリメイク版の「ディパーテッド」と甲乙つけがたくいいねぇ。音楽もよし。アンディ・ラウ良し! トニー・レオン上手い。見る順番によってオリジナルとリメイクとどっちがいいか評価が分かれそうです。
 先に「ディパーテッド」を見ているからどうしても比較しながら見てしまう。ストーリー展開はほぼ同じなので次に何が起こるかも予想でき、そういう意味ではスリリングな話にもかかわらず充分楽しむことができなかったのは残念。とはいえ、まったく退屈しなかったのだから、これは相当よくできた映画だと思う。
 巻頭、いきなりヤクザの若手子分達が警官に就職する場面から始まる。訓辞を垂れているのは警察学校の校長ではなくてやくざのボス。このオープニングはスタイリッシュで痺れる。このあと、かなりスピーディに話はトントンと進み、ヤクザの手下が警察で出世し、いっぽう警官がヤクザ組織にもぐりこむという潜入合戦のエックス攻撃(「サインはV」です、古い)が展開する。
 瞠目すべきはトニー・レオンのやつれ方。警官でありながら身分を偽り潜入捜査10年のはてにアイデンティティを見失って心身ともに疲れ果てるというヤン刑事役を見事に演じた。ヤクザの手下なのにインテリっぽいアンディ・ラウはもちろんかっこいい。ハリウッド版よりこちらのほうが役者が魅力的だ。ただし、ハリウッド版のほうがヤクザの親分に迫力があった。やはりジャック・ニコルソンは別格ですな。それにハリウッド版にはエスニック問題もからめたりして、話が複雑になっているのと、展開にリアリズムを重視しているため、どうしてもテンポが遅い。スピーディーでコミカルなのは香港版、渋くてクールなのがハリウッド版、といった違いがある。
 わたしはどちらも面白かったが、作品の完成度はハリウッド版のほうが高い。結末の違いに東西の思想の違いが現れているのではなかろうか。やはりキリスト教的倫理観が色濃いハリウッドのほうが教訓的かも。(レンタルDVD)

INFERNAL AFFAIRS 無間道
香港、2002年、上映時間 102分
監督: アンドリュー・ラウアラン・マック

製作: アンドリュー・ラウ

脚本: アラン・マックフェリックス・チョン

音楽: コンフォート・チャン
出演: アンディ・ラウ ラウ、トニー・レオンアンソニー・ウォンエリック・ツァン