吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

グラディエーター

 どうしたって「ベン・ハー」と重ねて観てしまう作品。当然,作り手もそれを意識しているはず。「ベン・ハー」からは40年経っているのだから,あれ以上にど迫力の画面が作れて当然です。

 しかし,家庭のテレビで観たせいか,迫力はいまいち。ストーリーには深さも幅もないし,これといっておもしろい伏線とか謎解きがあるわけでなし,唯一主人公と前皇帝の娘とのロマンスが訳ありそうで興味をそそる程度。

 やはり「ベン・ハー」には軽く負けています。何と言っても感情移入できない最大の難点はラッセル・クロウ。あの顔はないよね。なんか情けないタレ目親父って感じで。声は渋くてよかったけど。

 ただし,ストーリーはどう展開するのかちょっと読みにくいところがあったので,最後まで引っ張れました。ハッピーエンドじゃないからスカっとさわやかにならないと夫は文句を言っていましたが。

 基督教がローマ帝国の国教になる以前の話なので,人々が祈る神というのは土着の神様? ようわからんかったわ。宗教学の権威先生,教えてください。

 豊穣な麦畑のシーンはとても幻想的でよかったです。ここだけかな,誉めていいのは。ゴッホの絵を思い出しました。あ,いや,巨大コロシアムも壮観でした。すごいセットを作ったものだと感心していたら,どうやらCGらしい。なんでもできてしまうのだな,CGで。

 銀幕大スクリーンで観ればそれなりに楽しめたはず。(レンタルDVD)

 Gladiator

上映時間 : 155分

製作国 : アメリ

製作年 : 2000年

監督 : リドリー・スコット

製作 : デヴィッド・H・フランゾーニほか

脚本 : デヴィッド・フランゾーニ 、ジョン・ローガンウィリアム・ニコルソン 音楽 : ハンス・ジマー

出演 : ラッセル・クロウホアキン・フェニックスコニー・ニールセンオリヴァー・リードリチャード・ハリスデレク・ジャコビ