
朝日ベストテンシネマの堂々1位だったので大いに期待したのだが、期待が過ぎたのか、スカスカした映画だなぁ、なんで1位なの?というのが正直な感想。もちろん悪くないけど、こういう「ほのぼの」系が1位というのはどうなんだろう? わたしとしてはどうせなら「河童のクゥと夏休み」を1位にしてほしかった。「天然コケッコー」は10位内に入るとしても7位とか8位ぐらいじゃないのか?
この映画でいちばん気になったのは、田舎の描き方がいかにも都会人の眼差しであることだ。これは田舎=サバルタンを語る都会人=先進国の知識人、という図式に見えてしまう、ということ。田舎を東京との対比で描くことに今更なんの意味があるのだろう? 田舎の少女の純朴さや今時信じられないぐらいの方言丸出しのしゃべりかたをほのぼのと鑑賞できる神経は都会人しか持たないだろう。
過疎地の中学校(小学校込みで全校生徒6人)の一年を叙情豊かなカメラが追う。これじたいに文句はないし、こうう話はけっこう好きだ。ただ、ここにやって来る東京からの転校生がいつのまにかすっかり田舎暮らしに馴染んでしまうというお話になるのはなぜか。ヒロインそよのキャラはとてもいい。小学1年生のさっちゃんも可愛くてたまらない。この物語がこの僻地の村の中だけで完結していたら何も違和感がないのだが、ここに東京から転校生がやってくることによって嫌がおうにも東京人の視点が交わる。転校生に恋したヒロインそよが修学旅行に東京へ行きたいと言い出し、それが実現する。ここにまた過疎地と大都会との対比が描かれる。やっぱり田舎はいいよなぁ~というお話に落ち着いてしまうのがなんか腑に落ちない。
いえいえ、悪いお話ではありません。東京からやってきたハンサムボーイと田舎の可愛い少女との初々しい恋も可愛らしく微笑ましい。この二人の親たちになにか訳ありな雰囲気が漂うのも興味深い。うーん、評価が微妙です。(レンタルDVD)
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日本、2007年、上映時間 121分
監督: 山下敦弘、プロデューサー: 小川真司、根岸洋之、原作: くらもちふさこ 『天然コケッコー』、渡辺あや、音楽: レイ・ハラカミ
出演: 夏帆、岡田将生、夏川結衣、佐藤浩市、柳英里沙、藤村聖子