吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

岡本太郎の沖縄 完全版

「芸術は爆発だ!」という流行語も生んだ奇矯の芸術家、岡本太郎。アバンギャルド(前衛芸術)に生きた太郎が、「ついに自分自身に出会った」と語ったのが沖縄への二度の旅であった。本作は、1959年と66年に太郎が撮影した大量の写真と映像、そして彼…

キングスマン:ファースト・エージェント

今年の2月に鑑賞したのだが、今頃アップ。 いままでのキングズマンで一番面白かった。その理由は歴史劇であったこと。歴史といっても大昔ではなく第1次世界大戦が舞台になっている。キングズマン誕生の舞台裏が語られていて、その壮大な歴史が解き明かされる…

パワー・オブ・ザ・ドッグ

この作品がアカデミー賞作品賞にノミネートされたことがまずは驚きだ。このようなハリウッド映画らしくない作品(とはいえ、遅れてきた西部劇という風情はある)がアカデミー会員に受け入れられたということは慶賀である。この映画の雄大な映像を見れば、こ…

ジョーンの秘密

非常に興味深く見ることができた作品。事実に基づくと言いながら、ジョーンの人生についてはかなり創作されているようだ。 主人公ジョーン・スタンリーは年老いて夫に先立たれ、静かに一人暮らしをしていたが、ある日突然逮捕される。それは50年以上前にソ連…

コーダ あいのうた

今年2月に観た映画だが、今頃アップ。鑑賞当時、アカデミー賞最有力とか言われていた作品。さすがに大変面白くまた感動できるものだった。唯一、並み居るコーラス部員たちの中で一際目立つほどの歌の素質があるはずの主人公の歌がたいしたことなかったってこ…

1941 モスクワ攻防戦80年目の真実

わたしは本作を1月に観たのだが、ウクライナへの侵攻が始まって半年近くが経とうとする今、改めてロシア人のナショナリズムを鼓舞する戦争映画だったと思い出す。 ドツが独ソ不可侵条約を突然破棄して大戦車隊を組織してモスクワ目指してやってきている! こ…

偶然と想像

今年の正月に映画館で見た映画。2022年の初映画であり、おみくじで大吉が当たったような興奮と満足感を得られた作品だった。 3部オムニバスの物語はそれぞれが「偶然」をテーマに展開する。3つの話に共通点はなく、それぞれが完全に独立している。共通するの…

ドント・ルック・アップ

大笑いしながら見た。近年まれにみるあほらしいドタバタコメディ。でも役者が豪華な分、いろいろと見せ場があって、最後はすごくシリアス。ラストの長い長いエンドクレジットが終わってからボーナスカットがある。これも笑える。 物語は、地球に彗星が衝突す…

パーム・スプリングス

去年劇場で見たのだけれど、結末を忘れてしまったし途中経過もかなり忘れているので、Amazonプライムで配信が始まったのをよい機会に再見。もちろんiPadで、夜寝る前にベッドの中で小刻みに見た。 タイムループものは珍しくないんだけれど、同じ1日を繰り返…

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

ふつうの映画2本分の内容はたっぷり入っているので、1本で二度おいしいお得な映画! その分、とっても疲れるけどそれはそれでまあ良しとしよう。 このシリーズは全部映画館で観ているわたくしは、ジュラシック・パーク三部作も全部DVDを持っているのである。…

エルヴィス

ロックの帝王エルヴィス・プレスリーの伝記映画なのだから、さぞや大ヒットかと思いきや、予想に反して苦戦しているらしい。その理由はなんとなくわかる。「ボヘミアン・ラプソディー」が伝説のコンサート「ライブ・エイド」で盛り上げて終わったのに対して…