吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ベイビー・ブローカー

原題は「ブローカー」。製作会社のロゴが漢字とハングルの組み合わせで「家」という意味のマークを作字しているのが面白い。 さて巻頭、ポン・ジュノ監督の「パラサイト」へのオマージュかと思わせる、夜の大雨が打ち付ける急坂の階段が映る。「パラサイト」…

オフィシャル・シークレット

長さをまったく感じさせない、緊迫感が最後まで持続する社会派作品。実話というのが驚くべきで、地味な展開にも拘わらず観客をつかんでいくのは演出の的確さの賜物だろう。キーラ・ナイトレイも渾身の演技を見せる。 さて物語は。2001年の911テロの後、ブッ…

教育と愛国

非常に抑制の効いた撮り方に感動する一作だ。 冒頭、”「おはようございます」という挨拶とお辞儀は同時にするのがよいのか” を問う場面が現れる。信じがたいことにこれは道徳の教科書に載っていることなのだ。なんでそんなどうでもいいことが道徳の教科書に…

シン・ウルトラマン

やっぱりテイストは限りなく「シン・ゴジラ」に似ているのだが、ゴジラに比べると新鮮味に欠ける。冒頭いきなりこれまでの経過を超早口字幕で説明する場面が続く。次々と字幕が移り変わっていくので、もちろん読むことは不可能だ。いくらわたしが1~2秒で字…