吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

私は確信する

骨太の法廷劇で、未解決の実話を元にして作られている。よく見るフランス映画のようなおしゃれな台詞があるわけでもなく、恋愛の機微が描かれるわけでもない。あくまでも法的な解釈に則って緻密な事実調べが行われ、被告弁護士にボランティアで協力する女性…

チャンシルさんには福が多いね

映画が好きで好きで、だからプロデューサーという仕事を選んだのに、一緒に働いていた監督が急死したために映画製作は頓挫し仕事を失ったチャンシルは40歳の独身女。やむなく家賃の安い下宿へと引っ越すことになり、その場所はソウルの高台にあるといえば聞…

羊飼いと風船

チベットを舞台にした映画はあまり見る機会がないので、その雄大な美しい風景を見ているだけでも引き込まれていく。と同時に、チベットとモンゴルの区別もつかない自分自身の無知が恥ずかしい。バター茶を飲む遊牧民という文化や風習は同じでも民族まで同じ…

ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと名乗る足の不自由な少女と大学生恒夫との淡い恋物語。ではなく、実はジョゼは幼く見えるが恒夫より2歳年上の大人の女性なのだ。しかも、ガラの悪い大阪弁で横柄にしゃべる。とてもじゃないが「ジョゼ」という愛らしい響きにぴったりの乙女ではない。…

KCIA 南山の部長たち

非常に緊迫感に満ちた作品。結末は誰もが知っているのに、最後まで緊迫感が持続する面白い映画だった。 主人公のKCIAキム部長、つまり暗殺犯を演じたイ・ビョンホンは終始ニコリともしない、常に苦虫を嚙み潰したような顔をしている。だけではなく、アクショ…