吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

人生は狂詩曲(ラプソディ)

ベルギーが一国2言語制度を敷いている国だという基本事項を押さえていればとても楽しめる。 ミュージカルだけれど、役者たちの歌はたいして上手くない。ダンスもほとんどない。どちらかというと素人芸の中途半端なミュージカルなので、音楽性を求める人には…

西部戦線異状なし

今だけ無料なので見たこの作品は、かのルイス・マイルストン監督の名作のリメイクである。これがテレビドラマとは思えないほどの戦闘シーンの迫力には瞠目した。カラーになっている分も豪華な感じがする。 名作と言いながら、1930年の作品についてはもう内容…

感染列島

勝手にシリーズ「おうちで映画を見ようシリーズ」、4作目。 本作の世評はそれほど高くないらしいが、今見ると非常にリアルで恐ろしい。演出の甘さが指摘されることもあるが、それとても悲劇を強調するためにはこのぐらいでいいと思える。 2008年製作の本作の…

黒衣の刺客

武侠アクションというジャンル映画だが、全然アクション映画らしくない。「動く美術館」と呼ぶべき、静かで美しい映画だ。 唐の時代の辺境の地にあって権力争いを繰り広げる親戚同士の殺し合いというストーリーなのだが、その内容はほぼ理解不可能だ。幼いこ…

ディリリとパリの時間旅行

一年半前に訪れたパリの懐かしい風景が次々に登場する。本物よりも写真よりも美しいアニメ。どうやって描いたのか? あまりにも美しいので、画面を止めて何度でも巻き戻して見たくなるくらいだ。 物語の舞台はベル・エポックと言われた時代のパリ。超有名人…

レバノン

「Uボート」を見たときの感動にも似た、傑作反戦映画である。戦争映画に何を求めるかによって評価が分かれる作品でもある。戦車アクションを見たければ「ヒューリー」をお薦めする。この「レバノン」には爆撃でスカッとするような場面もなければ、アクション…

精神0

映画の上映方法が前代未聞。新型コロナウイルスによって危機を迎えている「映画の経済」を回復させるための試みとして、劇場公開と並行して、インターネット上に「仮設の映画館」をつくり、観客はどの映画館で作品を鑑賞するのかを選ぶことができるようにす…