吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

長いお別れ

先日、この映画について語り合う会があった。15人ほどの参加者の平均年齢は60歳を軽く超えている。みなが口々にいう映画の感想がちっとも映画評でなくて自分語りになっているところが印象に残った。つまり、それだけこの映画には観客が感情移入せざるをえな…

ホワイト・クロウ 伝説のダンサー

映画素人には難しいのではないか。時間と空間を瞬時に交差させる演出。ほのめかしに過ぎない場面でも、実はヌレエフの性的好奇心が描かれている。 彼は1938年、シベリア鉄道の中で生まれた。厳しいスターリン粛清の嵐が吹き荒れていた時代だ。父は熱心なスタ…

女王陛下のお気に入り

2月に見た映画。 斬新な映像感覚、研ぎ澄まされた音の効果、緊張と弛緩のほどよい交錯。三人の女の演技がぶつかる興奮。映画的興奮を味わわせてくれる、わたし好みの作品だ。 舞台は18世紀初頭のイングランド。この当時の国王であるアン女王のことはまったく…