2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
午前十時の映画祭にて。 公開から40年以上経って、ついに見た。この映画は1976年の正月映画として日本でも大ヒットしていたのであり、その当時、親友I子と二人で売店のアルバイトをした思い出がある。グッズが売れまくったのだが、結局映画そのものは見ない…
まだベルリンの壁が築かれる前の1956年に、東ドイツから西ドイツへ亡命した高校生たちの実話を基にした物語。原題は「静かな教室」。映画化を機に、原作となった主人公の手記が『沈黙する教室』と題して日本でも出版されることとなった。見終わって直ちに「…
2月に見た映画。 主役のサルマーン・カーンは実年齢が50歳に近いから、若者の役をするのはかなり苦しいものがある。タイトルが「おじさん」だから、おじさん役なのかもしれないが、主人公のバジュランギは年齢不詳の若者おじさんである。 して、物語は。パ…
タイトルを見たときに、てっきりマルコムX関連の話だと勘違いしていたが、本作は黒人帝国の王族たちの活躍を描くSF大作である。 アカデミー賞の美術賞と衣装デザイン賞を獲ったのも当然の、非常に印象深いコスチュームと美しいセットが楽しめる。そのうえ…
ある日突然幼な子二人を残して妻が失踪した。夫は突然の出来事に困惑しながらも、子育てに追われて孤軍奮闘。仕事人間だった彼は日常家事の何をどうしていいのかもわからず、懸命に子どもたちを育て、そしていなくなった妻の行方の手がかりを得ようとするが…
2月に見た映画。 事前情報をほとんど仕入れずに見に行ったので、「こんな話だったのか!」と驚いた。しかも実話を基にしているとのことなので、一層切なさが増していく。 ゴーストはつまり、殺された少年の魂のことで、彼は家を遠く離れた場所で監禁され、肉…
これも1月に見た映画。 怪物「フランケンシュタイン」を生んだのはわずか18歳の少女作家だった、というお話。悲劇に彩られたメアリー・シェリーの若き日々を描いた作品である。物語は暗く、フランケンシュタインという化け物が登場するにふさわしいゴシック…
これも1月にみた映画。既に大方忘れてしまっているが(汗)、いろいろ思い出しながら。。。 筋ジストロフィー患者が実名で登場する物語。映画の舞台は1994年から1年間の北海道。本人が実際に暮らしていた介護付き住宅を借りてロケしたという作品は、主役以下…
1月に見た映画なので、今さらという感じだが、思い出しつつ感想を。見終わった当初はとっても感動していたのだが、数ヶ月経った今では、ラストの演説が強烈な印象を残した以外はほぼ詳細を忘れてしまっているのが情けない。 舞台はインド北部の郊外。主人公…
アメリカの原子力潜水艦が主役となる大作映画だから、てっきりハリウッドものと思い込んでいたら、イギリス映画だった。確かに役者はイギリス人やヨーロッパからの配役が多い。 生涯決して乗りたくない乗り物の一つが潜水艦だが、どういうわけかわたしは潜水…
長い長い四時間半。わたしはiPadで小刻みに見てしまったから、映画の見方としては邪道に違いない。しかし、もしこれを劇場で見ていたとしても、長さは感じなかったのではないか。それほど、物語の強度が高く群像劇のアンサンブルが見事だ。ただし、個々の人…
てっきり原作小説があるのだと思い込んでいたが、そうではないと知って驚いた。こういう話を映画で、オリジナル脚本で作る蛮勇にまずは拍手。 劇中劇として語られる、「他人が書いた原稿を使って立身出世した新人小説家」という設定がそもそも原作小説がある…
今となっては「政治的に正しくない」と批判されそうな風刺漫画を1980年代から描いていた漫画家、ジョン・キャラハンについて知っている日本人は少ないだろう。彼の作品を見ると、どこかで見たことのある懐かしさがこみあげてくる。ヘタウマと言えばいいのか…
いまだに「論争」が続く「日本軍慰安婦問題」は捏造なのか事実なのか。疑問に思った日系アメリカ人の三十代の映像作家が肯定否定両派の人々にインタビューした記録がこのドキュメンタリーである。 その編集のスピーディなこと! 監督ミキ・デザキ本人による…
本作はマルグリット・デュラスの自伝小説を原作とする映画で、多くの出来事がほぼ事実であると思われる。1944年6月1日にゲシュタポに逮捕された夫ロベール・アンテルムの行方を知るためにゲシュタポ本部に日参する30歳のマルグリットの焦燥を描く。マルグリ…
4月初めにこの映画と「あなたはまだ帰ってこない」を続けて見た。どちらも女性が主人公なので、女性観客が多かった。特にこの映画は高齢女性が目立っていたね。 観客が現実では経験できないことを女優は代わりに体現し、観客に悲喜劇を体感させてくる。そう…
強引な訴訟指揮で負け知らずの辣腕弁護士ヘンリーが、突然の事件に巻き込まれて記憶喪失となり、身体機能も失ってしまう。必死のリハビリでなんとか日常生活を送れるようにはなったが、記憶はなかなか戻らない。と同時に、かつての仕事人間だった自分に疑問…
ウディ・アレンのテレビドラマは初めて見た。6話シリーズなのだが、二日がかりとはいえ、一気に見てしまった。最近では一番面白かったアレン作品。 時代は1970年、政治の季節のアメリカでは、ベトナム反戦運動が盛り上がっている。ウディ・アレンが演じる作…
allcinemaにデータがないから、なんでだろうと訝しんでいたら、これはBBCのテレビドラマであったことが判明。しかしこんなに雄大な風景をテレビで見るなんてもったいない話だ。わたしはテレビどころかiPadで見てしまったから悔やまれる。もう一度あの風景の…
画面に登場する主要人物は主人公の警官たった一人。場面は警察署のコールセンターのみ。これほど金のかかっていない映画も珍しいだろう。舞台劇でも再現可能な物語だ。それでも、これほど緊迫感に溢れる映画が作れるということにまずは感動した。そして、な…
シンプル・フェイバー、つまり「ささやかな頼み事」。この映画ではそれが「ちょっと、うちの子のお迎えを頼める?」というもの。しかしそれがきっかけでとんでもない事件へと発展する。 巻頭、大音量でフレンチポップスがかかる。懐かしい”ÇA S'EST ARRANGE”…
早くも今年のナンバー1が決まり!という感じ。やっぱりわたしは音楽映画が好きなんだと実感した作品でありました。 1962年のニューヨーク、イタリア系移民のトニー・ヴァレロンガはナイトクラブで用心棒を務めていたが、店が改装のため休業になる8週間、黒…