2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
若くして大ヒット作を書き、アカデミー賞も受賞した脚本家が、その後15年も鳴かず飛ばずでついに田舎大学の脚本コースの教師になる、というお話。くたびれたやる気のない中年大学教員をヒュー・グラントがまさに適役!って感じで楽しく演じている。 主人公キ…
1980年の光州事件を世界に向けて報道したドイツ人ジャーナリストを、ソウルから光州までの乗せて走ったタクシー運転手の実話を基にした作品。 光州蜂起が起きたとき、私は大学4回生で、ちょうど文学部学生大会の時期であった。光州蜂起を支持し韓国民主化運…
二人の出会いから「共産党宣言」が書かれるまでを描く、青年マルクスとエンゲルスの物語。今年が生誕200年になるのを記念してカール・マルクスを主人公に映画を作ってみました、というもの。ひょっとしてマルクスが主人公の映画って初めて見たかも。これまで…
長さをまったく感じさせない、隙のない演出。ストーリーでぐいぐい押していく異色のSFだ。CGなんて一切必要ない。 ある日突然ニューヨークの駅頭に現れた男は自分のことをK-PAX星人だと名乗る。精神病院に収容されて治療の対象となるが、その言動が常識を超…
2013年のボストン・マラソンで起きた爆弾テロ事件の被害者の「その後」を描く。同じ事件を描いた「パトリオット・デイ」が犯人を追う警官を主人公にしたサスペンスだったのに対して、こちらは事件そのものよりも、両脚を失った主人公がいかにして苦しみから…
韓国人監督が脚本を書き、日本でロケしたラブストーリー。ヒロインがアルツハイマー病を発症しているという設定は韓国映画「私の頭の中の消しゴム」と同じだが、こちらはヒロインの年齢が高く、すでに五十代になっている。主役の中山美穂はあまりにもスタイ…
映画的至福の時、というのはこの映画を観ている瞬間を指す。これほど、見ていることが幸せでたまらない映画というのも少ない。1983年の北イタリアを舞台にした美しき青年たちの恋。ただそれだけが描かれているのに、この豊穣の光と水と心地よい会話の流れる…
フィギュアスケート選手のナンシー・ケリガンが襲撃された事件のことは覚えていたが、「真相」なるものは知らなかったし、ましてやトーニャ・ハーディがその後どうしているかもまったく興味がなかったのだが、アカデミー賞効果は絶大で、トーニャの鬼母を演…
冷汗が背中を流れそうなブラックコメディ映画。もう、見ているだけで息が苦しくなってくる。しかし、その割に長さを感じさせないのだから、優れた映画であることも確かだ。カンヌ映画祭パルムドール受賞作。 舞台はスウェーデンの現代芸術を扱う美術館。主人…
大阪府泉南地方のアスベスト被害者が国を相手に起こした訴訟の経過を追ったドキュメンタリー。4時間近い長尺だが、見てよかったと心から思える作品だった。前半のお行儀のよいドキュメンタリー映画にぼちぼち退屈し始めたころに「休憩」が入る。そして後半は…