吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

8月の家族たち

舞台劇のテンションをそのまま映画にされるとチトしんどいものがある。暑苦しい映画。俳優のテンションも、8月のオクラホマも。 熱い暑いある日、父の葬儀に集まった家族たちが繰り広げる「ホームドラマ」。家族の中にあるさまざまな秘密が一挙に噴出し収拾…

テルマエ・ロマエ II

なんだか評判の悪い第二作なんだけど、どうしてどうして、わたしは十分に楽しみましたよ。楽しみすぎて後半は爆睡するほどのリラックスぶり。やっぱり温泉映画は見てゆったり、楽しんでゆったり、途中で寝るのもよきかな、よきかな。 原作ファンとしては、映…

名探偵コナン 異次元の狙撃手

「ノア 約束の舟」の試写会まで微妙に時間が空いたので、時間つぶしに見た。名探偵コナンを見るのは久しぶり。10年ぶりかもっと? 連載開始20周年だというから、アニメ放送開始もその直後かと思われる。子どもたちが幼かったころは一緒に毎週見ていたテレビ…

疎開した40万冊の図書

東京に空襲が増す戦時下に、図書館の蔵書を40万冊も疎開させた事実はあまり知られていない。これは、文化を尊んだ人々が、懸命に努力して本を残していったその様子を証言でつづったドキュメンタリー。 3月3日にエルおおさかで開催した「上映する会」は大盛況…

チスル

描かれていることは残虐な暴力なのに、淡々とした描写。モノクロの深い陰影のある映像が美しい。 いまだに全貌が明らかにされていない、済州島の「4.3蜂起」を描く作品だが、この映画を見ても4.3事件についてまったくわからないので、それは予習してお…

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

クレヨンしんちゃんの映画を見るのは「嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード」(2003年)以来だ。「オトナ帝国の逆襲以来の傑作」と前評判のよい本作だが、やっぱりわたしにとって最大の名作は「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」(2002年)。それに次ぐのが「オトナ帝…

とらわれて夏

これはもう、メロドラマ一直線。ある日突然巻き起こった恋の風に吹かれてこのままどこまでも地の果てまでも、と思うことはあるだろう。その風はいつか吹き止むのか? 母のナイト(騎士)にならんとする少年がけなげで愛おしい。 離婚した母の元に残った少年…

ある過去の行方

「彼女が消えた浜辺」で戦慄したアスガー・ファルハディ監督、続いて「別離」でも完成度の高さにうならされた。こうなると次の「ある過去の行方」に対する期待度が高まりすぎて困る。ハードルが高いから、少々の作品では納得できなくなってしまったよ、この…

ウルフ・オブ・ウォールストリート

面白くないわけじゃないけど、長すぎる。途中ときどきうとうとしていた。 デカプリオの演技が血圧高い、なんていうレベルじゃなくて脳卒中を起こすんちゃうかというほど切れまくるので、観ていてしんどい。途中で猛烈に頭痛がしてきてたまらなかった。頭痛は…

ジャンゴ 繋がれざる者

2013年鑑賞作で未掲載の作品をあげていく。 これは長男Y太郎の大好きなタランティーノの作品、いかにものタンランティーノ節全開。Yと二人で見に行って大いに満足して自宅凱旋しました、という作品。 巻頭、西部の荒野の広大な風景をバックに「続荒野の用心…

それでも夜は明ける

マイケル・ファスベンダーが目当てで見た。彼は冷酷な奴隷主を演じているが、マイケルが演じると、冷酷な人間のそこはかとない寂しさや弱さがにじみ出る。 1841年から12年間、奴隷として虐待を受けた実在の自由黒人の物語。ニューヨーク州サラトガに住む黒人…

ネイチャー

「ディープ・ブルー」「アース」「ライフ」と続くこのシリーズは全部映画館で見ている。なので、今回も。で、今回は3Dだ。素晴しい~! この日2本目の試写なので疲れて途中でちょっと寝てしまったが、そんなことはいい。このシリーズはあまりにも気持ちよく…