吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

少年と自転車

さすがはダルデンヌ兄弟だ。カメラの動きが職人芸の域に達している。巻頭暫くは手持ちのカメラの画面が揺れて見にくいと感じたものの、少年の寂しさやいじけた心に寄り添う画にあっという間に引き込まれていく。 主人公の少年シリルは父親に捨てられ、施設に…

ギリギリの女たち

「クレイジーホース・パリ」に続けてみたので爆睡必至かと危惧したが、演劇的な空間がそれなりに緊張感を保っているため、最後まで眠らずに見た。 登場人物は三姉妹のみ。ほぼワンシーン・ワンカットで固定カメラの長回し、という舞台劇のようなお話だ。台詞…

クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち

先月末に見た作品。映画よりも観客の反応のほうが面白かった。いつもなら一人で見に来る地味なインテリぽい人種が幅をきかすミニシアターの最前列に、なぜか「業界人」と思しき団体客が。彼らはいちいち映画の場面に反応して笑ったり拍手を送ったりするので…

ダークナイト ライジング

ノーラン監督のバットマン三部作、最終話の前に前2作を復習しておけばよかったと深く反省。これ、前作を覚えていないとなんもわかりませんよ〜! 100点満点だった前作に比べると、こちらはすべての点において見劣りする。その思想もキャラクターも映像も、な…

毎日新聞大阪本社訪問記

一ヶ月ほど前のことだが、たまたま毎日新聞大阪本社を訪問する機会を得た。わたしにとって大毎といえば大毎地下劇場。もう40年近くも前によく通った懐かしい場所だ。あの頃は大毎が今の堂島アバンザに位置しており、その頃既に古い建物だったように思う。こ…

渇き

いかにも、パク・チャヌク。この人の作品は絶対に好きにならない、なれない。けれど、異様な力がある。そもそも、カトリックの神父がバンパイヤになってしまって、若く美しい人妻と禁断の恋に落ちるなんていう奇想天外なストーリーを考えつく時点でやっぱり…

きみに読む物語

ライアン・ゴズリング・シリーズ、最後はこれ。 こんなベタな話、とか思いながら最後は落涙。ライアン・ゴズリングがブレイクした作品として有名なのだが、今頃やっとDVDで鑑賞。なるほどブレイクも納得のいい男ぶり。 認知症とおぼしき老婦人のもとに毎日の…

ドライヴ

ランアン・ゴズリング主演作連続レビュー第3弾。 以前はノーチェックだったのに、今はお気に入りの男優。今年になってからの3本はいずれも彼が大人の雰囲気を身に付け始めて、かっこよさが際立つ。ハンサムなだけではなく、憂いや悲しみを瞳に漂わせることが…

ラブ・アゲイン

いま注目の若手ナンバー1俳優、ライアン・ゴズリング特集その2。 妻から突然離婚を言い渡されて傷心の中年男が、バーで出会ったイケメンのプレイボーイ青年の手ほどきで変身に成功、次々と新しい恋に挑戦するが…、というコメディ。冴えない中年キャル役が…

スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

いま、ハリウッド若手俳優ナンバー1の魅力を放つライアン・ゴズリング。連続レビュー第1弾。 アメリカ大統領予備選をめぐる駆け引きの数々。大統領選挙が行われる今年、時宜を得た作品。政治に関心の高いジョージ・クルーニーらしい作品だ。 民主党候補者の…

喝采

落ちぶれた役者を見事カムバックさせるバックステージものシリーズ3連続アップ! の第3弾。 「映画に見る心理学」とかいう本があれば(あったけど)格好の例を提供しそうな映画。共依存、虚言癖、トラウマなどなど、ぜひ心理学者に解説を書いて欲しい映画。…