吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

捜査官X

マスコミ試写にて。 必殺仕事人か、仕置き人か、そのノリ。なかなか面白かった。 舞台は1917年の中国奥地。ある日、田舎のとある村に強盗に押し入った2人組がたまたま現場に居合わせた朴訥な紙職人に返り討ちにあって殺されてしまうという事件が発生し、捜…

バトルシップ

さすがはユニバーサル映画100周年記念作品、お金かかってます、リキ入ってます。 ハワイを舞台にした宇宙大戦争。これまであまたあった宇宙戦争もののええとこ取りした映画で、既視感に満ち溢れているというのにこれが面白いから、なかなかのもの。 舞台がハ…

第九軍団のワシ

男の世界。女がほぼ登場しないという点では「アラビアのロレンス」並みか。 紀元140年のローマ時代のイギリスが舞台の物語。今でいうスコットランドがほとんどの場面なので、空は陰鬱に曇っている。スコットランドはカレドニアの高地でロケされた映像はまさ…

フラメンコ・フラメンコ

前作「フラメンコ」(1995年)を見ていないので、わたしにとっては初体験のフラメンコ映画。 そもそもフラメンコについてはド素人で何の予習もなしに見たものだから、フラメンコが歌とセットであったことすら知らなかった。てっきりあの踊りとギターの伴奏だ…

汽車はふたたび故郷へ

隣席のおじさんが全編の半分ぐらいは鼾をかいていた。わたしも四分の一くらいは寝た。それくらい、余りにも淡々とした、何も主張しない映画。しかしその実、映画作りに込めた監督の意固地なまでの自己主張は強烈に漂ってくる。 グルジア映画は初めて見る。そ…

増殖

大阪芸術大学大学院美術学科在学中の若き作家の作品を観た。 小松原智史さんの「ゾウ・ショク」である。展覧会の途中でライブ・ドローイングしている小松原さんの姿が見えると思うが、彼は「増殖」をテーマに、そのときどきに沸き起こったイメージを描いて行…

顔のないスパイ 

劇場用パンフレットを作成していないって? 配給会社はやる気あるの。確かに全然宣伝していなかったし、予告編も観た覚えがない。でも、出来はそんなにひどくない。 ロシアの二重スパイがアメリカ社会に深く潜入している、なんていうお話は「ソルト」でも描…

戦火の馬

シャーリーズ・セロン主演「ヤング≒アダルト」を見て不愉快になったので(といっても90分の映画のうち、前半40分は予告編から既に爆睡)、お口直しにこの一作。 「ヤングアダルト」に続いて見た「戦火の馬」があまりにも美しい感動もので、心が温かくなった…

ピアノマニア

「働く姿を描いて感動的な映画」の一つ。 ピアノ調律師のドキュメンタリーというのは初めて見る。繊細な仕事であろうことは想像に難くないが、ここまで緻密な仕事をしているとは驚きだ。しかも体力勝負の部分もあるので、これは大変だと一目でわかる。スタイ…