吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

さすがはダルドリー監督だ。9.11で父を失った少年の傷心と立ち直りの日々を静かに見つめる。傷ついた心が癒される過程は決してなだらかな道ではないことがしみじみと描かれている。 9歳のオスカーは、おそらく軽いアスペルガー症候群なのだろう、抜群の記憶…

灼熱の魂

息を呑むようなドラマだ。憎悪と暴力が連鎖する中東の某国を舞台に、壮大な物語が始まる。原作が戯曲とは思えないほどの映画的な魅力に富んだ作品。乾いた大地を旅する女たちのささくれ立つ心を見事に映し出す雄大な風景と、内戦によって廃墟となった町の無…

TIME/タイム

近未来、通貨の変わりに「余命時間」が流通し、余命時間が無くなれば直ちに人は死にいたる、という世界を描く。遺伝子操作によって25歳以上歳を取らなくなった人類は、25歳以後の余命を得るために働くこととなる。富裕層は無限といってもいい時間を手に入れ…

ドラゴン・タトゥーの女

「セブン」のテイストに戻ったか、フィンチャー。ひたすら暗くて残虐なシーンが続く、鬱陶しいほどに陰鬱な映画。 「おお!」と思わせたのがオープニングのタイトルバックのフルCG映像と「移民の歌」の雄たけびだけというのはいただけない。MTVみたいと巷間…

ロボジー

このコメディ映画は、ものづくりに人並み以上に思い入れのあるわたしには琴線に触れる作品だった。たわいもないドタバタコメディなのに、笑いながらもしみじみしてしまう。 白物家電の木村電器が開発したロボットの名称が「ニュー潮風」というのもふざけてい…

ライムライト

夕方18時半から上映の「午前十時の映画祭」にて、1月に鑑賞。観客のほとんどが中高年男性で、しかも一人客。カップルはわたしとY太郎の母息子という取り合わせだけだったのではないか。 チャップリンてミスター・ビーンに似ている、と気づく。いや、ミスター…

「吟遊旅人」引っ越しました

webサイト「吟遊旅人」を引っ越しました。新しいUrlはhttp://ginyu.movie.coocan.jp/ ついでに、長らく更新していなかったページを削除しました。まずは「酒」のページです。今後、情報が古くなって役に立たないページについては順次削除していきます。

マイウェイ 12,000キロの真実

「山本五十六」に続いて戦争映画をご紹介。これまた一ヶ月ほど前に見たので遅きに失したかも…。 あまりの波乱万丈の嘘のようなお話に、「ほんとに真実なのか、実話なのか」と疑いながらエンドロールを見ていた。パンフレットを読むと、ノルマンディ上陸作戦…

聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実

もう一ヶ月も前に見たのだが、戦争映画を2本続けてご紹介。 本作の真珠湾攻撃の場面はアメリカ映画「パールハーバー」と見比べたら面白いだろう(しかし「パールハーバー」の内容をすっかり忘れた)。「トラトラトラ」も再見したくなったのでちょっと調べて…