吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

息子のまなざし

この映画は、全編手持ちカメラでしかも極端に接写してあるため、画面の揺れが激しく、気分が悪くなってくる。その上音楽がまったく流れてこないので、およそ映画を楽しむとか味わうといった情緒の辺境にある作品だ。わたしのようにブランコに酔うような人間…

アバウト・シュミット

ウオーレン・シュミットが66歳で定年を迎えたその日、彼はオフィスでじっと時計を見つめたまま固まっていた。まもなく5時だ。デスクの上にはなにもない。窓際にはダンボール箱がうずたかく積み上げられていて、彼の仕事はすべて終わり、あとはただ終業時刻を…