吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲 2019

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 前作ファンとしては(をい、ほんとにファンと言っていいのか)続編は当然見るのである。しかし続編はまったく続編じゃなかった!(笑)

 ナチスの残党が月から攻めてくるという大筋は見事に無視されていて、全然ちがう設定になっている。放射能が蔓延して人が住めなくなった地球から逃げ出した数少ない人間がナチス月面基地で暮らしていたが、絶滅の危機に瀕したことにより、起死回生をかけて地球に戻ってくる、という話。地球は空洞になっていてその中には未知の都市があり、宇宙からやってきた知的生命体が地球征服を狙っていた――。いえ、実は既に地球は征服されているんです。だってその人たちは実はね。。。。

  今回の爆笑点は、月面世界のほぼ人口消滅状態の社会でも貧富の格差が歴然としてあり、上級国民はジョブズ教の信者で聖スティーブをあがめている、ということ。まあいろいろと笑える設定なので大いに笑いましょう。

 この世界ではたった一人であらゆる困難に立ち向かっているのが若き女性オビであり、それが前作の美しきナチスであったレナーテの娘ということ。しかも肌が黒い。彼女が惚れているマッチョ男がいて。。。

 地底国に攻め入ったわれらがヒロイン、そこで目にした世界中の独裁者! どこかで見覚えのある世界史上の人々がトカゲ人間として登場する姿は圧巻である。あんまりいろいろ書くと面白みが半減するのでこれくらいで。恐竜も登場するからね! うぷぷ。(レンタルBlu-ray) 

IRON SKY: THE COMING RACE
フィンランド / ドイツ   93分 
 
監督:ティモ・ヴオレンソラ
脚本:
ダラン・ムッソン
音楽:
ライバッハ、トゥオマス・カンテリネン
出演:
ララ・ロッシ、ウラジミール・ブルラコフ、キット・デイル、ユリア・ディーツェウド・キア