吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

記憶にございません

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 史上最悪の総理大臣一人が突然改心したところで、政治体制や官僚機構にメスが入らないと世の中は変わらないだろう。そんなことは百も承知でこのコメディ映画は一人の嫌われ者政治家が記憶喪失という偶然によりすっかり人が変わってしまい、そして次々と改革を始めていくという胸のすくような政治劇を見せてくれる。
 まあ、現実の政治がアレだから、コレもありかな、と思わせるシロモノである。劇場は満席、あちこちで笑いが起きる。三谷幸喜は人気者だ。
 本作は三谷の脚本の面白さもさることながら、役者のうまさに感動する映画である。中井貴一なんかだいぶアドリブが入っているのではないか?
 ディーン・フジオカが終始クールな首相秘書官を演じていたのが個人的には惚れ点。草刈正雄の極悪官房長官ぶりもよかった。
 なぜか登場人物全員がスマホではなくガラケーを持っていた。なんで?!
 久しぶりに見た山口崇がすっかりおじいさんになっていたのには仰天した。月日が経つのは早い(しみじみ)。
127分
日本

監督:三谷幸喜
製作:石原隆、市川南
脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
音楽:荻野清子