吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

GODZILLA 怪獣惑星 / GODZILLA 決戦機動増殖都市

 「ゴジラ」シリーズ初の長編アニメーション三部作。2018年中に全部が劇場公開されたけれど、わたしは2作をDVDで鑑賞しただけなので、結局結末を見ていない! あ〜、イライラするわー、こうなったら早く第三章を見たいです!

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 で、物語は。

 地球はなぜか突然ゴジラに襲われ、人類は絶滅の危機に瀕する。そもそもその前に謎の怪獣に襲われているのである。しかし映画ではそのへんの説明が一挙に終わってしまって、簡単に流されてしまう。だから、映画ではとりあえず人類がゴジラのせいで地球を追われてしまってから20年後、というところから物語は始まるのである。宇宙をさまよっているうちに地球時間では2万年が過ぎており、人類が地球に戻ろうとしたときには既に地球はゴジラの天下となっていた。そして若者たち精鋭部隊が地球に降り立ち、壮絶な地球奪還ゴジラ掃討作戦を展開する。
 今どきのアニメなのだからこれぐらいの緻密な絵は当然なのかもしれないが、やはりメカニック、背景、人物共に描きこまれている情報が多くて目がついていかないくらいだ。なので疲れてしまって次々と繰り広げられる戦闘シーンの途中で意識不明になってしまった。ゴジラが熱戦を吐く理由などを科学的に解明説明する場面があったようだが記憶にない(汗)。
 第1章ではゴジラを倒すところまで話が行きついたので、一安心するのだが、もちろんこれで終わりではない。一匹倒したと思ったらもっと巨大なのが出てくる、という恐怖の展開。そして第2章ではなんと人類の子孫が生き延びていたという驚くべき展開にもなる。話にメリハリがある分、第2章のほうが面白い。
 人類の科学力だけで宇宙を光速以上で航行するのは当然無理なので、そこには助っ人が存在している。それが異星人エクシフ星人とビルサルド星人である。彼らはともにゴジラに母星を破壊され、宇宙を彷徨う民となってしまった。そして地球人を助けて地球脱出を共に行う。ただし、この異星人たちの設定も詳しくは描かれないので、そこが不満な点。
 ゴジラの造形については、これまで見たものよりもアニメキャラっぽいし、木彫りの狼人形みたいな顔つきをしている。かなり怖いしちょっと男前。第2章で登場するキャラはしっかりこれまでの実写シリーズを踏まえていて、ザ・ピーナツの双子原住民キャラとかぶる少女たちが登場する。てっきり「モスラーや、モスラー♪」と謳いだすのかと思ったよ(笑)。
 第2章が面白かっただけに、第3章への期待が高まる! 

GODZILLA
第1章「怪獣惑星」89分、日本、2017
第2章「決戦機動増殖都市」101分、日本、2018
監督:静野孔文瀬下寛之、演出:吉平“Tady”直弘、脚本:虚淵玄、アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ、音楽:服部隆之
声の出演:宮野真守櫻井孝宏花澤香菜梶裕貴杉田智和諏訪部順一